伝統航海カヌー「ホクレア」

2022.02.20

ホクレアとは?

ホクレアとはハワイ語でhōkūは「星」、leʻaは「喜び」を表し、「喜びの星」という意味です。現在は、うしかい座の「アークトゥルス」と呼ばれている星をさします。
ホクレアは常にハワイでは頭上に来ることから、タヒチやマルケサス諸島からハワイへの航海カヌーがポリネシア航法で航海する際は、この星の高度でハワイの位置を推測していたといわれています。ハワイの伝統航海カヌー「ホクレア」は、コンパスなどの計器を一切使うことなく、星や太陽の動き、波や風の変化など、自然が与えてくれるヒントのみを使う伝統航海術による双胴船です。一度は失われたこの伝統文化ですが、1975年に復活をし、これまで40年以上に渡り、ハワイから太平洋の島々、日本、そして世界一周の航海など、延べ約30万キロ、地球を約7周分に匹敵する距離を航海してきました。ホクレアは、ハワイの伝統文化の象徴であり、ハワイの人々の誇りです。

伝統航海術について

ホクレアは、コンパスなどの計器を一切使うことなく、星や太陽の動き、波や風の変化など、自然が与えてくれるヒントのみを使って航海を行っていましたが、それは、今でも受け継がれています。2014年から3年間の世界一周の航海においても、計器を使わずに航海されました。

2015年8-9月、ホクレアの世界航海において、インド洋横断の第14レグにて、クルー兼アパレンティスナビゲーターとして活躍された、NPO 日本航海協会 理事長 奥知樹氏に、計器を使わずにどのように航海をされているのか、具体的にウェビナーで説明いただきました。

なお、奥様は現在、2023年からはじまる太平洋航海に向けて、ホクレアは日本へも寄港する予定となっているため、その準備を行なわれています。その詳細は、https://www.zenes.jp/projects/wayfinding-hawaii-miyazaki でご覧いただけます。

2014-2017年世界一周

2014 年~2017 年、世界18 カ国150 以上の港を訪れた「マラマホヌア世界航海」にて3年に渡る世界一周の航海を行いました。 マラマホヌアとは「地球をいたわる」を意味し、持続可能な社会に向けた取り組みについて発信しました。

世界一周の航海スケジュールは以下です。
2014年5月~2015年4月 ポリネシア(ハワイ一周、タヒチ)
2015年5月~12月オーストラリアとインド洋(シドニー、バリ島、モーリタニア、南アフリカ)
2016年1月~2月大西洋とカリブ海(バージン諸島、ハバナ)
2016年4月~12月米国とカナダ(フロリダ州、ケネディー宇宙センター、ニューヨーク市、マーサズ・ヴィニヤード、五大湖、ヴァージニア州(修理と展示)、マイアミ、パナマ運河)
2017年1月~6月太平洋(ガラパゴス、タヒチ、ハワイへ帰還)

マラマホヌア世界航海の日々を綴っ/た航海記では、カヌ-での生活のこと、航海師たちの心情など、旅のルートと共に紹介しています。

環太平洋航海2023-2027

2026年5月1日、ホクレアは初航海から50周年を迎えます。この大きな節目な年に、伝統航海カヌー「ホクレア」と姉妹カヌー「ヒキアナリア」は、2023年から2027年の間、太平洋を一巡する環太平洋航海を行います。ハワイを出航して北米アラスカを目指し、アメリカ大陸沿岸、タヒチ、ニュージーランド、オーストラリア、太平洋諸島、さらに北上して日本へも寄港する計画です。

航海期間:42ヵ月
航海距離:41,000マイル(約66,000km)
横断する国・島の数:46
寄港する港の数:345港

この航海の大きな目的は、地球という“カヌー”の舵を握る次世代の「航海師」をインスパイアし、それぞれが未来に向けた航海へと漕ぎ出すきっかけを作ることです。海洋探求、持続的な革新技術、食料、水、エネルギーの自給、伝統的な知恵の活用など、 様々な取り組みに光をあてながら、よりよい未来をナビゲートする次世代の「航海師」たちを、1000万人生み出すと予定されています。

ホクレアクルーから学ぶ航海中のカヌーの生活、航海術についてウェブセミナーで学ぶ

「ホクレア」の日本人クルー、内野加奈子氏からホクレアの航海中のカヌーでの生活について、そして星の動きを用いた航海術について等、更にディープなお話をウェビナーにてご説明いただきました。

ポリネシア伝統航海カヌー「ホクレア」サポーター募集中

ポリネシア航海協会(PVS) が行う伝統航海カヌーの修繕作業や教育プログラムの実施などは、すべて数多くのボランティアの力と皆さまからの寄付金によって運営されています。次回環太平洋航海をより安全に実現し、世界中に環境保全の⼤切さについてのメッセージを発信するために、ご支援をいただけるサポーター募集中です。

ご寄付いただいた皆様には2020年1月9日に配信しましたポリネシア航海協会のオンラインツアーのアーカイブ映像をご覧いただけます。

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