「レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)」の推進

「責任のある旅行者になるため」のヒントや情報、実現へ向けた取り組みなどをご紹介いたします。
どれもちょっとした心がけで実践できるものばかりです。ハワイ渡航前にぜひご覧ください。

ハワイには、古代から受け継がれた自然が存在し、これらの自然が、何十年後も、何百年後も変わらぬよう、ハワイ州観光局は、マラマハワイ (Mālama Hawaiʻi)を提唱し、ハワイに宿るすべての自然や文化に対して「マラマ=思いやりの心」を持って守り続け、後世に伝えていきたいと考えています。

美しい海に囲まれたハワイでは、目の前に広がる海や山に心が奪われそうになりますが、この景色は決して「当たり前」ではありません。海をきれいにし、海洋生物には欠かせない存在のサンゴ礁は白化が進み、私たちの生活に欠かせないプラスチック製品が増えることで、流れ着くプラスチックゴミが海洋生物や鳥などの生き物に影響を与えています。また、キレイな空気を作り出す植物は、森林伐採や外から持ち込まれた細菌により絶えようとしています。

そこで、ハワイ州観光局は、この古代から受け継がれた自然を次世代まで守り続けるために、「自然保全」「文化継承」「コミュニティリレーション」「ブランドマーケティング」の4つを主軸として活動を行っております。

自然保全

自然・文化的資源の尊重
自然・文化的資源の尊重 ハワイの自然資源や文化遺産の保護活動を支援し、州民の生活の質と旅行者の滞在体験を向上させる

文化継承

ハワイの伝統文化と地域社会を支援
州民や旅行者へ真の体験を提供することで、ハワイ固有の伝統文化を継承する

コミュニティー リレーション

より豊かな観光業と地域社会の確立
回復力のある観光労働力と地域社会を構築するための協力関係を形成しながら、州民と旅行者の関係性を強化する

ブランド マーケティング

観光業を通じた社会貢献を強化
「ポノトラベラー(責任ある旅行者)」を誘致し、ハワイ固有の文化や多様な地域社会、自然環境に焦点を当てることでハワイのブランドを保守する

Mālama Hawaiʻi(マラマ ハワイ)

責任ある旅行者になるために!

「Mālama(マラマ)」とは、ハワイ語で「大切にする/守る」という意味です。旅行者に、「ハワイを思いやる気持ち」で、ハワイの自然環境や伝統文化の保護をお願いする、ハワイ州観光局の「レスポンシブル・ツーリズム」に対応した取り組みです。
ハワイ州観光局では、ハワイ渡航前に知ってもらいたい事項として、ハワイで守っていただきたいことをまとめたコラムや映像などを用意しています。ハワイ渡航前にぜひご覧ください。

Mālama Hawaiʻi(マラマ ハワイ)
海洋生物の保護
ビーチや海で、ウミガメやハワイアンモンクシール、イルカ、ザトウクジラなどに遭遇した際は、推奨距離以内に近づかずマナーを守って観察してください。
サンゴ礁の保護
サンゴの白化を防ぐために、有害成分が含まれる日焼け止めを使わないでください。2021年より州法で有害成分が含まれた日焼け止めの販売が禁止されています。
固有種の保護
ハワイには2944種類もの固有種が生息しています。ハイキングなどをする際は、靴や用具などは事前に洗浄して、外来種を持ち込まないように気をつけてください。
ハワイ文化への尊重
ハワイの伝統文化を尊重しましょう。文化的な史跡を破壊したり、進入禁止のエリアに侵入しないこと、また神聖な岩を動かしたり、持ち帰ったりしないようにしてください。

「マラマハワイ」に基づいた、地球を大切にする旅

マラマは、思いやりの心、ハワイを思いながら旅をしましょう!

プラスチックの削減

エコバッグやマイボトル、マイストローなどを持参しましょう

ハワイ諸島の海洋環境を改善するために、マウイ島で2008年、翌年にはカウアイ島が、2013年にはハワイ島でレジ袋の配布が禁じられています。2015年7月にオアフ島で禁じられたことで、アメリカで初めて、州としてレジ袋の配布が禁じられ有料化されました。

2019年12月4日、ホノルル市議会において米国で最も厳格な使い捨てプラスチック禁止法のひとつであるビル40(40号法案)が可決されました。2021年1月から段階的に施行され、オアフ島ではプラスチックナイフ、スプーン、フォークが禁止されました。2022年1月にはプラスチック製のボウル、皿、その他の食品など、他の多くの使い捨てプラスチックも禁止されます。マウイ郡では、2018年12月31日から、エコバック、マイボトルの携行を推奨、プラスチックバックの使用禁止が禁止がされています。

海洋生物の保護など、自然環境を守るためにプラスチックバッグの使用が禁止され、エコバック、マイボトル、マイストローを持参することを推奨しています。

2015年7月1日: ホノルル市環境サービス局が全ての商店に対し、顧客に提供するショッピング・バッグに関する条例を制定。
2015年7月1日から: 商店でのプラスチック・バッグ(再生可能なものは除く)または再生不可能な紙のバッグの提供を禁止。
2018年7月1日~: 商店でのショッピング・バッグの無料提供を禁止。最低15セントでの有料提供に。
2020年1月1日~: 全てのプラスチック・バッグ(有料提供の再生可能なものも含むすべて)の提供を禁止

2022年1月1日~: プラスチックナイフ、スプーン、フォークが禁止

※写真:オリジナルのエコ・バッグは旅の思い出やお土産にも人気です

サンゴ礁を保護するために、有害物質が含まれる日焼け止めの使用禁止

2021年1月1日からサンゴ礁への有害性が指摘される物質を含む日焼け止めの販売禁止

ハワイ州では、2021年1月1日から、サンゴ礁への有害が指摘されている成分(オキシベンゾンとオクチノキサート)を含んだ日焼け止めの販売を禁じる法案が成立しました。日焼け止めご使用前には、REEF Safeとパッケージに表示されているかなど、サンゴ礁に有害な成分が含まれていないかチェックしてください。

ハワイ州観光局は、旅行者の皆さまに、日本から有害成分が含まれる日焼け止めをハワイへ「持ち込まない」ご協力をお願いしております。

<日焼け止め規制法>
2018年7月3日: サンゴ礁への有害性が指摘される物質を含む日焼け止めの販売を禁ずる法案成立
販売禁止対象: サンゴ礁の白化などの原因になっていると一部の研究者から指摘されているオキシベンゾン(Oxybenzone)、オクチノキサート(Octinoxate)の成分が含まれる日焼け止め
施行開始日: 2021年の1月1日から

海洋生物たちの自然な暮らしを守る取り組み

動物たちには近づかない!そっと見守る心がけ

ハワイの近海に生息するウミガメ、イルカ、ザトウクジラ、ハワイアンモンクシールなどは、州法と連邦法のもので保護されています。海中でもビーチでも、例えばウミガメには3メートル、イルカには45メートル以上近づいてはいけません。触ることや食べ物を与えることも禁じられています。違反した場合は罰金が科せられることから、ハワイ州観光局では渡航者へ注意するよう周知徹底しています。

生物名 距離
ウミガメ(ホヌ) 約3メートル
クジラ 約90メートル
イルカ 約45メートル
ハワイアンモンクシールなど 約15メートル

ハワイ州が取り組む「Aloha+ Challenge」

持続可能な社会の実現へ

ハワイ州では、持続可能な社会へ向けて、経済や社会、環境の側面から目標を設定し、「Aloha+ Challenge」として、2030年までに6セグメントにおいて目標達成に向けた取り組みを行っています。6セグメントは、国連が定める「持続可能な開発目標(SDGs)」のゴールやターゲットに対応しています。「レスポンシブル・ツーリズム」は、この目標に基づき、観光産業として貢献できることを提唱したものとなります。

「Aloha+ Challenge」6セグメント

  1. クリーンエネルギーへの転換
    2045年までにエネルギー供給量の70%をクリーンエネルギーに転換し、100%代替エネルギーを供給する。
  2. 自然資源の管理
    2030年までに、河川流域の森林30%の保全や海洋資源の管理、外来種の抑制、在来種の保護を行う。
  3. 持続可能なスマートコミュニティの形成
    2030年までに経済的な豊かさ、複数の交通手段の幅広い選択肢、災害からの回復力、温室効果ガスの緩和など、生活しやすい社会を形成する。
  4. 廃棄物の削減
    発生源での削減、リサイクル、生物学的転換、埋め立てからの回避という手法を通して、ごみ処理の段階に至るまでの廃棄物の流れを70%削減する。
  5. グリーンジョブ・環境教育
    2030年までに地元のグリーンジョブや環境教育を増やす。
  6. 地元産の食料供給
    ハワイ州で消費される食料の20〜30%を地元産のものを使う。