イオラニ宮殿、ハワイ王国と日本の関係に焦点を当てたツアー

2023.01.18

ハワイ・ロイヤルコネクション・トゥ・ジャパンツアー

ハワイ王国7代目君主カラカウア王によって1882年に建てられた『イオラニ宮殿』は、当時のハワイ王国と日本の関係に焦点を当てた『Hawaii's Royal Connection to Japan tour – ハワイ・ロイヤルコネクション・トゥ・ジャパンツアー』を2021年に開始しました。このツアーでは、一般には入場制限されているエリアに入って日本の皇室からハワイ王国へ贈られた貴重な品々を見ながら、ハワイ王国と日本の関係がどのように築き上げられたかということに焦点を当てて日本とハワイの歴史をひも解いていきます。

実施日時: 毎週水曜日 13:00〜13:45(英語)
所要時間: 45 分
料金: 大人 77.95ドル、5〜12歳 51.95ドル
予約: www.iolanipalace.org
問い合わせ: 808-522-0832
*日本語ガイドを希望する場合は事前にお問い合わせください。(最大催行人数6名)

【イオラニ宮殿ロイヤルコネクションツアーの詳細】
イオラニ宮殿の山側にある入り口からツアーは始まります。宮殿内を傷つけないように、また衛生面の観点からシューズカバーを履いて入ります。写真撮影は可能ですが、フラッシュ撮影や動画撮影は禁止されています。イオラニ宮殿の豆知識などを聞きながら宮殿内へ。扉から一歩入ると目の前に広がるのは1階中央のグランドホール。太陽光が優しく射し込む空間は天井が高く、ホールを囲む白い壁の上方にはハワイ王国の歴代の王と王妃の肖像画が並べられています。肖像画を目の前にして、ハワイ王国を作り上げたカメハメハ大王から歴代順にそれぞれの王が成し遂げた功績を解説します。そして、この宮殿を建てたハワイ王国7代目君主カラカウア王の話へと続きます。

「メリーモナーク(陽気な王)」というニックネームで呼ばれたカラカウア王は、蒸気船で世界周遊の旅へと旅立ちます。18カ国におよぶ旅で見聞を広げることはもちろん、サトウキビ農園での働き手となる移民招致も目的であり、その最初の訪問国となったのが日本でした。静まり返った横浜港に、ハワイ王国の旗を掲げたカラカウア王の一行が到着すると、港からカラカウア王が作詞したハワイ王国の国歌『ハワイポノイ』の演奏で盛大に迎えられたのだそうです。今で言うところの最大限の「おもてなし」です。時は明治 14年。初の現職外国元首として来日したカラカウア王は明治天皇へ謁見しました。その際に日本からハワイへの移民の受け入れを申し出たことが、その4年後の1885年に始まる官約移民のきっかけとなりました。 この他にも有名な話として語り継がれていることは、カラカウア王は姪のカイウラニ王女と日本の皇族との縁組を持ちかけたことです。丁重にそして少しユーモアを交えてこの縁組は見送られたそうですが、ハワイ国王と皇室との距離の近さを読み解くことができます。本来は天皇と肩を並べて歩くことは許されなかったはずですが、明治天皇とカラカウア王は共に歩くこともあったという話や、カラカウア王が和装をしたというエピソードも聞くことができます。

イオラニ宮殿のグランドホールでひときわ目を引くのが、皇室の紋章である菊の御紋が入った大きな花瓶です。来歴をひも解いたところ、カラカウア王が一世一代の特別行事を行った際に明治天皇が寄贈した有田焼と判明したそうです。その行事についての詳細もツアーでたっぷり聞くことができます。この他にも、明治天皇から贈られた徳川家の葵の御紋が刻まれた茶道具や、官約移民船で運ばれたとされる七宝焼きの壺、薩摩焼の花瓶、在日本ハワイ王国総領事夫妻がカラカウア王に贈ったつい立てなど、イオラニ宮殿には日本から海を渡ってきた数々の調度品や骨董品が飾られています。

宮殿1階には、クリスタルシャンデリアなど豪華な装飾で彩られた王座の間、青の間、そしてダイニングルームがあります。ダイニングルームにはロープが張られていて、通常のツアーでは中へ入ることができませんが、このツアーはロープの先まで入ってダイニングテーブルを間近で見ることができます。当時使われたハワイ王国の紋章が入ったオリジナル食器、シルバーのカトラリーが置かれたテーブルセッティング。この席に座って催された晩餐会などの光景が目に浮かびます。

グランドホールで存在感を放つ琥珀色のコア(ハワイ固有の樹木)の階段を上がった2階はプライベートエリアで、カラカウア王とカピオラニ王妃の各寝室、執務室、音楽室などがあります。2階の一部屋に飾られたカラカウア王の日本滞在中の記念写真には、ある日本の皇族の姿が映っているのですが、実はこの方、1階の青の間に掲げたヴィクトリア女王即位50年式典に参列したカピオラ二王妃とリリウオカラニ王女を印した彫版画にも登場している...といった宮殿ならではのカラクリも知ることができます。19世紀から現代に至るハワイと日本の関係性を含め、ツアーではまだまだ多くの話を聞くことができます。最後に特別なお土産としてカラカウア王直筆の手紙の複写が参加者にプレゼントされます。

(取材協力:ライトハウスハワイ)

イオラニ宮殿について
1882年に建てられたイオラニ宮殿は当時の最先端技術を駆使したハワイ王国栄華の象徴である公邸です。欧州の建築様式で作られ、宮殿内には、水洗トイレ、水と湯が出るシャワー、電話、ハワイでは初めて、またホワイトハウスより早く電灯も備え付けられていました。大広間にはハワイ固有の樹木コア材が使われた階段が広がり、ハワイ王国第一代目からの君主の肖像画、世界各国や王室から贈られた調度品が展示されています。オーディオツアーのほか、水曜日と木曜日の午後3時30分から日本語ガイド付きツアーが行われており、公式サイトから予約することができます。また、金曜日の正午からは宮殿の敷地で「ロイヤル・ハワイアン・バンド」による無料コンサートが開かれています。

※時間、料金等の詳細はイオラニ宮殿のホームページでご確認の上、ご紹介ください。

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参考資料
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