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クレアナを探る旅…

クレアナを探る旅

2022.03.01

「クレアナ」とは、ハワイの言葉で「使命」や「生涯をかけて行うタスク」などと訳されます。ヴィンス・オカダさんは、漠然とハワイにいる自分が生まれ故郷である日本に対して何かをしたいと考えているだけだったことに対して、ホクレアに乗ることではじめの一歩を踏み出します。

「クレアナ」とは、ハワイの言葉で「使命」や「生涯をかけて行うタスク」などと訳されます。ヴィンス・オカダさんは、漠然とハワイにいる自分が生まれ故郷である日本に対して何かをしたいと考えているだけだったことに対して、ホクレアに乗ることではじめの一歩を踏み出します。

2010年、ハワイ大学教授のプロジェクトのお手伝いでモロカイ島を訪れていました。そんなタイミングに、ホクレアがトレーニングの一環でやってきました。教授のお手伝いが終わった後、停泊している桟橋に向かい仲間と再会しました。そこでカウアイ島から乗ってきていた池田恭子さんを通して、ホクレアクルーでもあるともさんと初めて出会います。その夜は、ホクレアキャプテンでもあるアンクル・メルのお家にみんなで泊まらせてもらいました。BBQをして、音楽を演奏したり聞いたり、ラナイ島が大きく見えるお庭に敷物を引いてみんなで寝転がって星を眺めました。夜も更けていき寝ようかと思った時に、外で恭子ちゃんとともさんが話をしている声が聞こえます。ものすごく眠かったのですが、直感が働いて「二人の元へ行かないと損するぞ」と聞こえてくる声に任せて、二人がいる外のテーブルに向かいました。次世代に向けての想い、教育について、日本について、自分のこれからについて、お互いの熱い想いを長時間語り合いました。

朝起きると、ともさんが、「ヴィンス、次のレグ乗っておいで。アンクル・メルに頼んでオッケーもらったから」と言ってきました。ともさんは直感的にこれから色々関わって一緒にやっていくだろうからホクレアと繋がって欲しいと思ったと言います。ただ、海やホクレアに関してど素人であるし、もっと乗るに値するモロカイの人たちだっているはず。正直戸惑いがあり、アンクル・メルにそのことを伝えると「自分のクレアナがあるなら乗りなさい」と言われました。クレアナとは、ハワイの言葉で「使命」や「生涯をかけて行うタスク」などと訳されます。「自分がなぜ乗るのかの意味を自分なりに探しなさい。そしてその意味が周りの人たち、あなたのコミュニティ、次の世代になるために考えられるならぜひ乗ってください」と言ってくれました。その頃は、漠然とハワイにいる自分が生まれ故郷である日本に対して何かをしたいと考えているだけだったことに対して、ホクレアに乗ることで一歩目を見出すきっかけにしたいと思いました。

モロカイ島からハワイ島までのレグを参加させてもらいました。トレーニングをしているわけではないので邪魔にならないようお手伝いをして、そこで起きていることをできるだけ多く観察したいと思いました。クルーたちが星の位置をみながら方角を見いだしたり、自分がカヌーにとって仲間にとってどう役立てるかと常に意識も持っていました。カホオラヴェ島の横を通ったとき、涙を流すハワイアンクルーたちの姿を間近でみて本当にぐっときました。地上中心で生きてきた自分が、あんなに広い海のなかにでて、地球はまだまだ広いんだなとも思えました。と、同時に、ナイノア(トンプソン)の言葉でもあるのですが、「海は世界を隔てるものではなくて、つなげるものなんだ」と実感し、ハワイ・太平洋の島々と日本のつながりが実感できた気がしました。頭ではわかってることはたくさんありますが、5感、6感を使って実際に経験することで、世界観がぐっと変わり出した瞬間でした。

ゆっくり時間が進んでいる時には、クルー達ともたくさん話をしました。心地よいエネルギーを感じられるのは、みんなそれぞれが人生において大切にしているもの、価値観や想いなどが重なり合うからなのだと思いました。自分が大切にするもの、価値ってなんなんだろう。日本、次世代に対する自分の想いって具体的にどう見出していきたいのだろう、どういうところに自分のクレアナを見つけ出して実践していけるのだろう。そんな時に、この考えるプロセス、自分の全身全霊をこめて体験をすること自体、そして、そのような環境を提供することこそが、自分にとってのクレアナなのだと気付けた旅でした。

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