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環太平洋を巡る旅 モアナヌイア…

環太平洋を巡る旅 モアナヌイアケア航海 レグ9 カリフォルニア西海岸への航海を振り返って① 

2024.02.09

Aloha!ホクレアクルーのTamikoです。 2023年10月25日から​​​​​​11月15日までハワイ伝統航海カヌーホクレアに乗船し、モアナヌイアケア航海レグ9の区間である、カリフォルニア西海岸のマリーナデルレイ 〜ニューポート〜デイナポイント〜サンディエゴへと航海してきました。その体験を振り返ってここに書いて行きます。

Aloha!ホクレアクルーのTamikoです。 2023年10月25日から​​​​​​11月15日までハワイ伝統航海カヌーホクレアに乗船し、モアナヌイアケア航海レグ9の区間である、カリフォルニア西海岸のマリーナデルレイ 〜ニューポート〜デイナポイント〜サンディエゴへと航海してきました。その体験を振り返ってここに書いて行きます。

Aloha!ホクレアクルーのTamikoです。

2023年10月25日から​​​​​​11月15日までハワイ伝統航海カヌーホクレアに乗船し、モアナヌイアケア航海レグ9の区間である、カリフォルニア西海岸のマリーナデルレイ 〜ニューポート〜デイナポイント〜サンディエゴへと航海してきました。その体験を振り返ってここに書いて行きます。

いざ西海岸へ

2023年4月にホクレアがハワイからアラスカへと輸送され、環太平洋を巡るモアナヌイアケア航海が本格的に始まったのが6月。アラスカのジュノーから出港し、それぞれの寄港地でその土地の先住民族や地域コミュニティの温かい歓迎を受けながら交流を深め、それぞれの物語を紡ぎながら、ホクレアは北アメリカ大陸を沿岸沿いに南へと航海してきました。私が最後にホクレアに触れたのが4月、ホクレアがアラスカへと旅立つ前日、ハワイ中から大勢の人達がホクレアのホームであるオアフ島サンドアイランドに集まり、送り出すセレモニーが行われた日でした。

レグ9の航海が始まる直前まで日本にいた私は、ハワイに一旦帰って一日家族と過ごし、その翌日、他のレグ9のクルー達よりも3日遅れでカリフォルニアに到着し皆と合流。「ああ、これから航海が始まるんだな。。。」少しの緊張とともによみがえる出航前のあの感覚。半年ぶりに出会うホクレアは力強く、美しく、そして、いつものように、静かに、私を迎えてくれました。

私は過去10年間でいくつかのホクレアとヒキアナリアの航海に参加してきましたが、このモアナヌイアケア航海レグ9は私にとって新たな挑戦が多く、精神的にきつい航海だったかなと思います。でも、そうなるだろうなということは航海前から予想はしていました。DeepSea(遠洋)航海と違って、沿岸での航海は多くの寄港地を巡って、その土地の先住民族と地域コミュニティと交流し、ホクレアの持つメッセージとモアナヌイアケア航海の目的をシェアしながら、人々とつながっていくことが、私たちのクレアナ(責務)になります。

私達が停泊している間は、毎日のように地域の人々にカヌーツアーとしてホクレアを開放し、ホクレアの歴史や物語、伝統航海術、カヌーの構造、航海での体験談などをシェアしてきました。それに加えて、航海についてのプレゼンテーション、さらにはクルー達が、それぞれの寄港地で地域コミュニティや先住民族の人々がその土地の自然とどのように寄り添って生きてきたのか、その自然環境をどのようにマーラマ、慈しんでいるのかを学ぶ時間もあり、とにかく、一言で言うと、盛りだくさんな日々を送ることになります。今回はキャプテンとしての航海ということで、今までとは違う、重圧のようなものも感じていました。

カリフォルニア西海岸のハワイアンミュニティへ故郷を届ける

カリフォルニア西海岸には大きなハワイアンコミュニティが存在します。彼らにとってホクレアが寄港するということは、「カヌーは島で、島はカヌー」というハワイのことわざのごとく、遠く離れた故郷、ホームである「島」そのものが彼らのもとにやってくると言っても、過言ではありません。それくらい、彼らにとってホクレアと過ごすひとときというのは、特別で掛け替えのない時間となるのです。私達はその島=カヌーをオハナ(家族)のもとへ安全に航海させ、物語を分かち合うというクレアナの重さを、それぞれの寄港地で受け止めていました。ハワイの物価高騰など、やむを得ない事情により、故郷を離れ、生まれ育ったハワイに住みたくても住めないオハナ達が年々増えているのは悲しい事実です。

故郷を象徴するホクレアを一目見ようと、何時間もかけてホクレアに会いに来てくれたオハナ達もいました。「島(故郷)から遠く引き離されても、私達からクプナ(先祖)を取り除くことはできない」そう言って静かに笑い、アロハの心を持ち続けるオハナ達は、私達をまるごと包み込むかのように温かく、謙虚でありながら、陽気で明るく、音楽とフラそして、オノ(美味しい)フードで私達と過ごしてくれました。ホクレアはDeep Seaへと航海に出ると、私達と自然をつなげ、私達が「生きる地球」の一部であるという感覚を取り戻させてくれます。そして、島に到着すると、私達と地域コミュニティがつながる架け橋となってくれるのです。

希望の光、若手クルー

今回、ほとんどのクルーが初めての航海という中で、カヌーツアーやプレゼンテーションでの若手クルーの活躍は素晴らしいの一言でした。生き生きとした彼らは私たちに希望の光を与えてくれる存在です。半分以上が20代から30代で、ホクレアよりも若く、学校でハワイの歴史や文化、ハワイ語を学んだ世代。ハワイ地元の子だけではなく、ポリネシアトライアングルの東の端、ラパヌイ(イースター島)出身の子も参加しました。言わば、1976年ホクレアのタヒチ航海から、ポリネシア人がポリネシア人としての生き方に誇りを取り戻し始めた後の教育を受けて育った世代のクルー達。その堂々とした態度は誇りに満ち、彼らと過ごしていると、ポリネシア文化を受け継いで次世代に引き継いでいくんだという熱い意気込みが伝わってきます。

若いので、やんちゃなところも少なからずありますが、それでいて礼儀正しく、心優しい彼ら。私は大勢の人や人前に出ること、自分の思っていることを言葉にして伝えることも、得意ではありません。数々のイベントに追われる中で正直に言うと逃げ出したくなることもありました。そんな私の背中を押して、支えてくれたのは、この若手クルー達を含む、全てのレグ9クルー、寄港地で出会った人達の温かいサポート。失敗したことも、上手くいかないことも、気分が落ち込むこともあったけれど、クルー達と支えあい、それぞれの地域コミュニティのサポートのおかげで、どうにか乗り越えることができました。支えて下さった方々には、本当に感謝の気持ちしかありません。

環太平洋を巡る旅 モアナヌイアケア航海 レグ9 カリフォルニア西海岸への航海を振り返って②に続く。

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