ホクレアのシスターカヌー「ヒキ…
ホクレアのシスターカヌー「ヒキアナリア」その2
ポリネシア伝統航海の知恵と現代のテクノロジーを融合させたホクレアのシスターカヌー「ヒキアナリア」について紹介します。
ポリネシア伝統航海の知恵と現代のテクノロジーを融合させたホクレアのシスターカヌー「ヒキアナリア」について紹介します。
ポリネシア伝統航海の知恵と現代のテクノロジーを融合させたホクレアのシスターカヌー「ヒキアナリア」について紹介します。
ホクレアとヒキアナリアの違い
- モーターが掲載されている。
ホクレアとの最も異なる点は、なんといってもディーゼルエンジンがあることでしょう。環境に優しいバイオディーゼル(レストラン等から出た食用オイルの廃油からリサイクル)を使用しており、ヒキアナリアはホクレアのエスコートカヌーとしての役割も兼ねているため、緊急時にはホクレアを曳航できるようにエンジンが装備されています。伝統航海術を実践しながらも、ヒキアナリアは単独での長距離航海が可能です。 - トイレがある。
ホクレアにはトイレがなくセイフティーハーネス(安全帯) でカヌーに吊り下がった状態で海へと用を足すためまさに命がけと言う感じですが、ヒキアナリアにはカヌー船尾側の左舷と右舷にトイレが1つずつ付いているので、比較的より安全に用を足すことができます。 - バンク(寝室)がデッキの下にある。
ヒキアナリアのバンクはデッキの下にあるので、キャンパスで覆われただけのホクレアのバンクと違って、寝ているときに水しぶきが入ってきません。ただし、デッキの下にあるということで、通気性はあまり良くありません。航海の最初の数日間は船酔いをしてしまうクルーもいます。 - オーブンがある。
ガスコンロに加えてオーブンがあるので、航海中にクッキーやブラウニー、ケーキ等がデザートに出てくることもあります。 - ハレ(キャビン)がある。
デッキ上に屋根のついたハレがあり、キャプテンやナビゲーターが仮眠をとるバンク、海図の記入もできるチャートテーブル、そして、航海の様子を撮影したビデオの編集作業ができるデスクスペースがあります。
ヒキアナリアのクレアナ(責務)
ヒキアナリアはホクレアとクルー達の安全を確保のエスコートボート(伴走船)としての役割を担い、それと同時に、大海原でのクラスルームとして伝統航海術のトレーニングと次世代リーダーシップの育成の場となっています。ホクレアと違いモーターはついているものの、一旦、大海原に出れば、ホクレアと同じようにできる限り風の力、伝統航海術で航海していきます。そうしながらも安全な針路で航行できているかを確認する重要なクレアナがあるため、ワッチキャプテンの一人だけは、海図やGPSを使ってホクレアとヒキアナリアの針路を確認しています。
2014年〜2017年のマーラマホヌア世界一周航海と2018年の南アメリカ西海岸への航海では、ハワイ大学や海洋自然保護団体等と協力し、持続可能な社会の実現に向けての現状調査として以下のサイエンスプロジェクトが実施されました。
・航海中に釣れた魚のサンプル採取、サイズ計測、胃の中の調査
・航海中に海水を採取し、水質調査
・航海中の水中音の録音
・航海中のプランクトン調査
ヒキアナリアの航海は、ポリネシア伝統航海の知恵と現代テクノロジーの融合を実現し、過去と現代を繋ぎ合わせながら新しい可能性を見出し、それを未来に継続していくことを目指しています。