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トレーニング航海シリーズ③ い…

トレーニング航海シリーズ③ いつ出発するかは『自然』が決めるもの、クルーはその時をじっと待つ【5月16日(日)】

2021.07.18

2022年~2026年に予定している環太平洋航海に向けて、準備が進んでいます。自然の教えてくれるヒントだけをたよりにした航海では、時にその決断を自然にゆだねることも。トレーニング航海シリーズ3では、自然に意識を向け、その時を待つことの大切さについて皆さんに紹介します。

2022年~2026年に予定している環太平洋航海に向けて、準備が進んでいます。自然の教えてくれるヒントだけをたよりにした航海では、時にその決断を自然にゆだねることも。トレーニング航海シリーズ3では、自然に意識を向け、その時を待つことの大切さについて皆さんに紹介します。

先祖代々の教え「海は私達に語りかけている」

ホクレアとヒキアナリアは、5月13日(木)からマウイ島ラハイナに停泊しています。マウイ島とハワイ島の間にあるアレヌイハハ(ハワイ語で「大波が打ち砕く」)海峡を安全に渡るため、風が弱まるのを待ちます。現在、時速30マイルほどの風速があり注意報が発令されていて、カヌーは早くとも5月18日(火)頃の出発を予定しています。

ナイノア・トンプソンと安全責任者アーチー・カレパが、アレヌイハハ海峡の危険性と待機決定の情報をアップデートします。

Archie Kalepa (安全責任者アーチー・カレパ)

アーチー:現在、私達はマウイ島のカヒキヌイ地区にいます。ここからハワイとタヒチを繋ぐ最初の海路であるアレヌイハハ海峡が始まり、さらにその先にタヒチへと繋がるケアラカヒキ海峡へと続きます。先祖代々、海は私達に語りかけている、と言い伝えられてきました。海は、うねり、波、風によって私達に語りかけてきます。海が語りかける事を理解できるようになると、水が読め、海流を理解することができるようになり、カヌーが島から島へと進む路を導き出せるようになるのです。

アレヌイハハ海峡は、大きな波と、ハレアカラ、北コハラとマウナケアの山々を通り抜ける強い風で知られる場所で、海流が風と逆向きに流れると非常に危険になります。波がカヌーに当たるのではなく、波が覆い被さるような状態になります。その波は尖っていて高さがあり、カヌーが壊されるかのようです。

このトレーニング航海では、全てのプロセスがリーダーたちの学びです。リーダーはクルーの安全を守らなければなりません。海や風を読んで決断をすることが大切になります。今の世の中は、“時間” に惑わされています。かつて時間は決断する時にさほど大切なことではなく、自然に意識を向けることが重要なことでした。時間がカヌーの出発時間を決めるのではなく、自然が『今だ』という時までじっと待つのです。クルーは、海と航海の神カナロアから海についてたくさんのことを学びます。ここは最高の学び場なのです。

ケアラカヒキ海峡は、先祖伝来の海の路で私達をタヒチへと導いてくれ、ハワイへと帰る路を示してくれます。この海峡で多くのことが観察でき学ぶことができます。クルーそれぞれのやり方で学んでいくのです。

Nainoa Thompson (ナイノア・トンプソン)

ナイノア:私達は、嵐にどう向き合うかのトレーニングをしています。ただ、地球上には敬意を持ち最新の注意を払って渡らなくてはならない海域があります。クルーは常に自然を観察することを学びます。今、自然がいつ出発していいかを伝えてくれる時を待っています。私達には予定がありますし、クルーたちはボランティアなので、その時が来れば帰らなければなりません。しかし私達の航海のおいて、いつ出発するかしないかの決断は自然によってされるものなのです。その時が来るまで、じっと待機して、常に自然に注意を払い続けます。偉大な伝統航海師マウ・ピアイルックが教えてくれたように、忍耐強くなる為に、私たちはこうしてトレーニングをしているのです。

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