一覧へ戻る

7. ニューヨーク湾 10億の…

7. ニューヨーク湾 10億の牡蠣で水質浄化プロジェクト!

2021.07.20

2014年〜2017年、ホクレアは世界18カ国150以上の港を訪れる、Mālama Honua(世界一周航海)へと出航した。「地球をいたわる」航海の中で、地球という島に住む人々に出会い、彼から学んだこと、彼らとのつながりを発信しています。ハワイを出港後2年間という時を経て、クルーの旅はいよいよ北大西洋へ。ここでは、アメリカの東海岸の大都市ニューヨーク湾での航海の様子を紹介します。

2014年〜2017年、ホクレアは世界18カ国150以上の港を訪れる、Mālama Honua(世界一周航海)へと出航した。「地球をいたわる」航海の中で、地球という島に住む人々に出会い、彼から学んだこと、彼らとのつながりを発信しています。ハワイを出港後2年間という時を経て、クルーの旅はいよいよ北大西洋へ。ここでは、アメリカの東海岸の大都市ニューヨーク湾での航海の様子を紹介します。

ニューヨークの喧騒からフェリーに乗ってすぐのところに、ビリオン・オイスタープロジェクトの拠点であるガバナーズ島があります。

このプロジェクトのディレクターであるピーター・マリノスキーはこのプロジェクトについてこう語ります。

「ビリオン・オイスタープロジェクトはニューヨーク湾の持続可能な牡蠣の個体数の復元と教育を目的とし、この活動を通してニューヨーカーたちが再びこの湾への情熱を感謝の気持ちを持ってくれることを目指しています。具体的には、ニューヨークハーバースクールと協力してここガナバーズ島で牡蠣の養殖に取り組んでいます。また現在ニューヨークの60の学校の数学とサイエンスの先生のトレーニングを実施し牡蠣の復元というレンズを通した数学やサイエンスの授業を地元の学生たちにしています。」

ビリオン・オイスタープロジェクトは2030年までに約100エーカーの岩礁に10億の牡蠣を移植し、ニューヨーク湾の海洋生態系を復活させることを目的としている。この団体はこれまで多くの学校や政府団体や非営利団体を巻き込むことに成功し、その軌跡は、ホクレアクルーとマラマホヌアクルー(世界一周航海に関わる地元ハワイの教育・コミュニティリーダー達)にこのミッションにむけてたくさんのヒントを示してくれました。

ホクレアクルーのミキ・トミタ:「クルーをここに連れてきたのは、学校がどうコミュニティーが広く関わるプロジェクトの一員となっているのかを学ぶためです。このプロジェクトでは、ハドソン川という地域で最も汚染が進んでいる水路と元々この地域で何百年もの間使われてきたいたが人間生活様式の変化で使われなくなった、牡蠣を用いた介入という昔からある手法に着目しています。ビリオン・オイスタープロジェクトは自然な牡蠣の生息地の復活、環境の改善のための体験型学習などの教育のイノベーション、そしてコミュニティー参画の素晴らしい事例です。」

ホクレアクルーとマラマホヌアクルーは、ニューヨークハーバースクールの教室や施設の見学や関係者たちとの懇談をしました。ハワイから参加した学生、政府関係者、そして、何よりも教育界のリーダーたちにとって深い考察と会話の時間となりました。

カヌ・オカ・アイナチャータースクール(ハワイ文化を軸としたカリキュラムを提供する公立のチャータースクール)の共同ディレクターのマヒナ・パイション・ドゥオート:「教育システムはいま自らの限界に到達していると思います。そんな時に、ここガバナーズ島のビリオン・オイスタープロジェクトについて学ぶことができたのはとても大事なことだと思っています。この体験を通して、どうしたら本当の意味で皆が集い教育を最大限に活用し、私たちが地域、国、そして地球規模で直面する問題を解決することができるのか考えさせられました。マラマホヌアの素晴らしさは、こうやって、本当に大切な目的とテーマを中心に人々が集まるところだと思います。」

次の航海記はこちら

8. バージニア州タンジール島 つながる島の民のこころ

LATEST

伝統航海の広がりWorld Sailing

すべて見る

環太平洋航海2022 最新情報Pacific Rim Voyage 2022

すべて見る

お知らせNews

すべて見る