ポリネシア航海協会、タヒチへの「ケアライカヒキ航海」へ出航

2022.04.18

継承、文化慣習、海洋権に焦点をあてた「ケアライカヒキ」の航海

ハワイとタヒチをつなぐ古代海路を渡る「ケアライカヒキ航海」に向けて、伝統航海カヌー「ホクレア」と姉妹カヌー「ヒキアナリア」が2022年4月11日にオアフ島サンドアイランドを出航し、ハワイ島ヒロに寄港した後、4月18日にタヒチのパペーテに向けてヒロを出発しました。天候に左右されますが、タヒチへの航海はおよそ20日かかると予想されています。ホクレアとヒキアナリアは、6月にオアフ島へ戻る予定です。

ケアライカヒキ航海は、2023年出航予定の「2023-2027環太平洋航海」(2023-2027 Moananuiākea Voyage)に向け、乗組員の航海訓練とカヌーの試運転を行うことを主な目的としていますが、タヒチへ到着後、乗組員は海洋保護や気候変動に関するサミットにも参加する予定です。今回の航海を通した乗組員の航海訓練については、ポリネシア航海協会(PVS)の後継者育成計画の一環として船長や航海士となるクルーを育成するために、次世代の航海士たちが務めています。レフア・カマル氏は、ホクレア号の船長と航海士を務める初の女性船長です。ヒキアナリア号では、Pwo(伝統的な航海術の通過儀礼を終えた者の称号)のナビゲーターであるブルース・ブランケンフェルド氏が、2人の船長カニエラ・ライマン・マーセロー氏とカレオ・ウォン氏を指導しながら航海します。

Pwoナビゲーターとポリネシア航海協会のCEOのナイノア・トンプソン氏は、「2022年は、翌年から始まる環太平洋航海に向けて、船長や航海士を対象にリーダーシップトレーニングを実施する準備の年です。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着けば、2023年までに220人の新しい乗組員に航海訓練を実施し、ハワイ州内で3000マイルを航海し、25の港に寄港して学校や地域社会と交流を行う予定です。」と述べています。

ケアライカヒキ航海では、乗組員の航海訓練に加え、古代の航海手順に従い、大航海の許しを得るためにフランス領ポリネシアのライアテア島にある航海の聖地(ヘイアウ)であるタプタプアテアを訪れることも渡航目的の一つとなっています。タプタプアテアの長老たちは、ケアライカヒキの海路を確認し、ホクレアとヒキアナリアを広大な太平洋にポリネシアのマナ(魂)を運ぶ遺産の聖なる船として、環太平洋航海のために神聖な儀式を執り行う予定です。

タヒチでの文化儀礼に続き、トンプソン氏は2022年5月14日から20日にかけてフランス領ポリネシアで開催される「ブルークライメート・サミット」の共同議長を務め、気候変動に対する海洋関連の解決策を議論する予定です。 このサミットは、「持続可能な開発のための国連海洋科学の10年」に賛同する行動で、フランス領ポリネシア政府と共同開催されます。250人以上のリーダー、科学者、エンジニア、コミュニティ、ビジネス、若者、政策立案者、自然保護活動家、インフルエンサーが集まり、人類が直面する最大の課題の解決策を見出すことが期待されています。

ポリネシア航海協会の航海を引き続き支援する主要スポンサーは、アサートンファミリー財団、ショーUS財団、ナクプナ財団、カメハメハスクールビショップエステート、シラスカ財団、ハロルド K.L. キャッスル財団、HEI、ハワイ電気、アメリカンサビング銀行、ハワイ・ツーリズム・オーソリティ、マトソン、オミディア ʻOhana、ハワイアン航空です。

【参考サイト】

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