アウトリガー・リーフのカルチャー・ディレクター紹介

2022.11.22

アロハ大使ことルアナ・メイトランドさんとは?

アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾートで文化活動全般を率いる、ルアナ・メイトランドさん。カルチャー・ディレクターというその正式な肩書以外に、親しみを込めてアンティ・ルアナ、アロハ大使と呼ばれることもしばしばです。

ホテルでは宿泊者向けのカルチャークラスをはじめ文化イベント、ハワイアン音楽のメッカとして知られるレストラン「カニ・カ・ピラ・グリル」の出演ラインナップなどを管轄するほか、ホテルのプロモーション活動のため世界各地を訪問することも。今回のインタビュー時も、オーストラリアから戻ったばかりとのことでした。

パンデミック以前には、日本のハワイアンイベントにも年に数回、参加していたというルアナさん。アウトリガー・リーフを代表するまさにアロハ大使のような女性、それがルアナさんです。

【上:2022年5月にオープンしたアオルームで。ルアナさんのオフィスを兼ねたアオルームでは、カルチャークラスも開催される】

フラダンサーにして熟練のレイメイカー

ルアナさんがアウトリガー・リーフに参画して、今年で20年。カルチャー・ディレクターに就任してからは15年になります。宿泊客向けに週7日、実に多彩なカルチャークラスを提供していることで知られるアウトリガー・リーフで、まだハワイではそういったサービスが少なかった頃から、ルアナさんはカルチャークラス&アクティビティを構築。講師も務めてきました。

フラやレイ作り、オヘ・カパラ(竹を使ったスタンプ)、ウクレレなど、ルアナさんの管轄するクラスの種類は多岐に渡ります。特にレイ作りは花のレイのほか、ククイの実、ティーリーフの葉で作るレイと3種類。そういったクラスの多くで講師も務めるルアナさんのバックグラウンドを、以下、簡単に紹介しましょう。

【上:アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾート提供】

ルアナさんはホノルル生まれのホノルル育ちですが、父方のルーツはハワイ島コハラ。コハラといえばカメハメハ大王の出身地です。ルアナさんのご先祖もカメハメハ大王の戦士だったとか。父は、今では数少なくなった純血のハワイアン。ホノルル出身の母もハワイアンの血を半分引いているそうです。

そんな背景から、ルアナさんは幼少期よりハワイ文化にどっぷり浸かった生活を送ってきました。8歳から著名なフラの指導者、ルカ&ルイーズ・カレイキ姉妹に師事し、プロのダンサーとして踊っていた時代も。家族の多くが同様にプロダンサーだったそうです。

【上:アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾート提供。通常はアオルームでのレッスンだが、子供の参加が多い夏場はビーチでフラを教えることも】

アンティ・ルアナがシェアするハワイの心

またルアナさん一家はレイ作りでも知られ、ルアナさんは幼い時分から父方の祖母からレイ作りを学んできました。

「父の家族は大家族。父は13人兄弟の長男でした。祖母(父の母)は父に命じて庭に花々の木を植えさせ、子供たちが友人のバースデーパーティに招かれると、レイを作るよう父に言ったそうです。13人の子供たちがパーティに呼ばれるたびプレゼントを買う余裕がなかったので、作ったレイをプレゼントとして持たせたのね」(ルアナさん)

しかもルアナさんの祖母は、レイを作る際は必ず2つ作るよう子供たちに言ったとか。1つは誕生日を迎えた友人に。そしてもう1つは、パーティの準備をする友人のお母さんに。そんな温かなアロハの心を持つ祖母と、ルアナさんはよく庭でレイを作ったということです。

そういった、ハワイらしさ溢れる家庭で育ったルアナさん。カルチャー・ディレクターとして目指すものについて尋ねると、「家族が私にシェアしてくれたのと同じように、ゲストにハワイ文化をシェアすること」と答えてくれました。

たとえばレイ作りのクラスでも、ルアナさんは材料を手渡す前にレイ作りの伝統やレイを贈る意味について、シェアするとか。

【上:アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾート提供】

「ゲストにはまず、それがただレイの作り方を学ぶクラスではないことを伝えるの。ハワイには、大切な人にレイを贈るという伝統があります。愛する特別な人のためにレイを作る時、レイに使う花の1つ1つが、その人への愛になる。できあがったレイはたっぷりの愛に溢れた特別なものになり、受け取った側にもそれが伝わる。そんなことをまず話すことからクラスを始めます」

子供も参加するので、クラスで教えるレイ作り自体は難しいものではないそう。けれど、そういったレイを作る心、贈る心を理解してもらうことが何よりも大切、とルアナさんは強調します。

そう、ルアナさんのクラスは単なるクラフトクラスではありません。ハワイの「心」や文化的背景が学べるのが、そのクラスの魅力なのですね。ルアナさんがアンティ・ルアナ、アロハ大使と呼ばれる理由もそこにあるような気がします。

【上:アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾート提供】

最後にルアナさんは、日本からのゲストに向けて次のようなメッセージを寄せてくれました。

「ハワイでは、ぜひ心を開いてハワイ文化を体験していただきたいと思います。ハワイの文化でも日本と同じように伝統が大切にされ、年長者や先祖が敬愛されるなど共通点があります。アウトリガー・リーフでぜひ、ハワイと日本の繋がりについてもシェアさせてくださいね」

各カルチャークラス&アクティビティの詳細は、アウトリガー・リーフのホームページで確認を。クラスは無料ですが、宿泊者限定となります(ルアナさんはカラカウア通り沿いに建つアウトリガー・ワイキキ・ビーチ・リゾートのカルチャー・ディレクターも兼任。同様にクラスを担当しています)。クラスはスケジュールの許す限りルアナさんが教えますが、アシスタントが代行することもあるそう。

クラス外でも、もしルアナさんを見かけたら、ぜひ「アンティ・ルアナ!」と声をかけてみてくださいね。きっと温かな笑顔で応えてくれるはずです。

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