ハワイは、海底火山が隆起してできた島々。ホットスポットと呼ばれるマグマの吹き出し口が太平洋の真ん中にあって、そこから流れ出した溶岩が積もったあげく、海上にぽっこりと顔をだしたものです。
そして、このハワイ諸島が乗っかっている海底プレートは、ゆっくりと、一年間に7センチぐらい日本の方向に向かって動いています。つまり、ホットスポットの上にできた島々は、そのうちマグマの吹き出し口から北東にズレてしまい、スポットの上には新たな島ができる、というわけです。
こうして数珠つなぎにできたハワイの島々は、だから北東側にあるものほど地質学的には古く、一番西にあるハワイ島は末っ子になります。そして、今現在、このホットスポットのちょうど真上にあるのが、世界で一番活発といわれるキラウエア火山なのです。
キラウエア火山から流れ出る溶岩はまったく気まぐれで、その日その瞬間で、流量や方向、場所がどんどん変化していきます。まさに水もの(と言うのも妙な表現ですが)とはこのこと。時によっては、焦げるような熱気を肌に感じるほど近くで見れることもあるし、往復10時間にも及ぶハイクをしないと赤い溶岩にお目にかかれないこともあります。火山の女神ペレは気性が激しくて気まぐれ、というのもこんなところからきているのかもしれません。
ちなみに今日現在のキラウエア火山は、プウオオ火口付近と、そこから海へ下る山の中腹、海に流れ落ちる部分で溶岩流が見られます。いずれも車や徒歩で近くに行くのは難しいですが、ヘリコプター・ツアーや、海に流れ落ちる溶岩を見るボートツアーに参加すれば、けっこうな迫力で見る事ができます。また、カラパナ側の展望所に日没時間にいけば、中腹を流れる溶岩の赤い光を見ることができます。
写真は2005年、火山国立公園内のチェーン・オブ・クレーターの終点付近で見れた溶岩流。この時は歩いて10分ぐらいの場所で溶岩が流れてました!
キラウエア火山の状況が毎日アップデートされている米地理協会のウエッブサイト↓
http://hvo.wr.usgs.gov/volcanowatch/