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毎年、9月に開催されている「アロハフェスティバル」。ハワイの文化を広く伝え、末永く永続させることを目的に、1946年に「アロハウィーク」という名で始まったイベントです。1991年からは、現在のアロハフェスティバルという名称になりました。ハワイアン・ミュージック、フラ、オリ（詠唱）、伝統儀式などが披露され、人々がハワイの文化をより身近に感じることができるこのイベントは、アロハ「ウィーク」の名の通り１週間だったものから、現在ではおよそ1か月に亘るフェスティバルとなっています。
イベントは、オープニングセレモニーにあたる「叙任式」から始まり、ワイキキで行われる大規模なパーティー「ワイキキ・ホオラウレア」、締めくくりには「フローラル・パレード」が盛大に行われます。動員数10万人*を超え、ハワイ文化を称える祭典の始まりとなる、古代の儀式さながらの「叙任式」に登場した人々の装いに注目して、それぞれがどんな物なのか、詳しく見てみましょう。*アロハフェスティバル実行委員会発表による人数
写真：1947年に行われたアロハフェスティバルの様子。Hawaii State Archives
次第に、堂々たる首長の姿になっていく過程に注目
叙任式では、毎年、選出される「王」と、その家族にあたる方々に、古代ハワイの王族が身につけていた衣類や飾りを、一つ一つ付けていく場面があります。まず最初に登場するのが、「王」の肩にかけられる長いケープ「アフウラ」です。古代ハワイで作られていたアフウラは、植物の繊維を編んでケープの形にした上で、鳥の羽をくくりつけたものです。肩から足首までの長いものは、位の高い首長が身に着けるもので、鳥の羽を集めるだけでも、大変な作業！羽の色は、黄色、赤、黒が主ですが、黄色の羽だけで作られたアフウラは、カメハメハ大王が身に着けたものでした。
ケープの次には、やはり高位の首長が身に着けることができた首飾り「レイ・ニホ・パラオア（鯨の歯のレイ）」が登場しました。人の髪の毛を編み、何重にも重ねたところに、鯨の歯を削って作られた飾りが中央部分に付けられています。その形は、神の舌の形を表しています。この首飾りを身に着けた姿のリリウオカラニ女王像が、ダウンタウンにあります。
そして最後には、頭を覆うヘルメットにあたる「マヒオレ」が登場します。古代では、マヒオレは儀式や戦争に出向く際に首長がかぶったものでした。マヒオレもやはり、古代では鳥の羽で覆われたものでした。こちらが「王」の頭に乗せられると、カメハメハ大王を彷彿とさせる、堂々とした姿となりました。
写真：Hawaii Historic Tour LLC、ほか
伝統的な装いは、フローラル・パレードにも登場
ハワイの文化を称えるアロハフェスティバルは、ワイキキのカラカウア通りを大胆に使ったブロックパーティー「ホオラウレア」に続き、フローラル・パレードで締めくくられます。
アラモアナ・センターからワイキキのカピオラニ・パークまで、大通りを進むパレードは、イベントの始まりを知らせる、ホラ貝を吹く人々が先頭を歩き、続くロイヤル・ハワイアン・バンドが、賑やかに音楽を奏でます。次いで登場したのが、古代の王族にあたる方々を乗せた山車。まるでタイムスリップしたかのような気分になりますね。ヘルメット「マヒオレ」、髪と鯨の骨で作られた「レイ・ニホ・パラオア」、ケープ「アフウラ」を身に着けているのが見えます。
パレードには、馬に乗った「パウ・ライダー」も登場します。ハワイの島々、それぞれを代表するパウ・ライダーたちが美しく着飾り、ゆっくりと大通りを進む姿は圧巻です。オアフ島を代表するパウ・ライダーは、オアフ島の色である黄色を着用。
ハワイの文化、伝統、歴史を、誇りを持って伝えていこうとするハワイアンの人々。その心を間近に感じられるアロハフェスティバルを、ぜひご自身で体験してみてください！
写真：Hawaii State Archives、Hawaii Historic Tour LLC
2025年アロハフェスティバル「第77回フローラル・パレード」
開催日：9月27日（土）午前9時〜正午
概要：今年のロイヤルコートをはじめとするハワイの色とりどりの生花で飾ったフロート、フラ、マーチングバンドの演奏など、華やかなパレード。ワイキキのカラカウアアベニュー沿いは、パレードを観覧する人々で賑わいます。
allhawaiiイベント情報：https://www.allhawaii.jp/event/2731/
公式サイト：https://www.alohafestivals.com/
執筆：さゆり ロバーツ Hawaii Historic Tour：https://www.hawaii-historic-tour.com/
本稿は、2024年に旧allhawaiiに掲載された記事を加筆・編集したものです。
