小さな端切れにも愛情を。世界に1つの手作りバッグをChit Chat Hawaiiで

2022.11.28

初めて見たときから、なんだか気になっていた小さなポーチ。あれはワイキキのギャラリーだったかな。かわいい布地が組み合わされ、Alohaの文字が毛糸で手描きのようにほどこされていて、ついいくつか購入して自宅に連れ帰ったのを覚えています。

それが「CHIT CHAT HAWAII」のポーチでした。オーナーデザイナーでありすべてのアイテムを手作りしているのが、アーティストのチトさん。素敵な日本人女性です。

カラフルな布を組み合わせた世界に一つのバッグたち

結婚を機にアメリカ本土(モンタナ)へ移住したチトさん、ご自分の娘さんに着せてあげるお洋服を作っていたところ、それを見た多くの人から「すごくかわいい!」「ぜひお店で売って!」と言われ、販売店も紹介してもらったのだそう。

周りの方がお店まで紹介してくれるって、すごい!それだけ彼女の作品が魅力的だったということですね。

(右のピンクのバッグは、チトさんが最初に作ったバッグ。娘さんが着られなくなったお洋服の布地などを組み合わせたアップサイクル)

その後、ハワイへ移り住んだチトさん。ハワイでは、自分が持ちたいと思う様々なスタイルのバッグを手作りしていたと言います。するとまた、「すごくいいから売って欲しい」という声が…。なんだろう、いいモノって売り込もうとしなくても必要とされちゃうんでしょうね。ほんと、すごいことです。

とにかく布が好き!想いを込めてハンドメイド

チトさんは、昔からお裁縫は得意だったそうですが、あくまで趣味として自分の欲しい物を作っていたのだといいます。また、何よりも「布」が好きで、布屋さんがあればチェックし、旅行中もあちこちで布探しをしてしまうんだそう。

ビンテージの布も大好きで、世界中で買い付けてしまうため、自宅件アトリエにはものすごい種類の布地が…。このコレクション、想像以上でした。

「あまりに布が好きすぎて。少しでもその良さを皆さんに知ってほしくて、パッチワークにしてるんです。もちろん、大きなバッグを作って出る“余り布”も、大事に組み合わせてポーチを作ります」。

なるほど。

使えるのに捨てちゃうなんて!小さな端切れこそ大事に

「再利用しなくちゃ。とか、リサイクルが大事!とか、もちろんその通りなんですけど、そういう思いよりも先に『こんなかわいい布地がまだ使えるのに、どうして捨てちゃうの?』っていう想いが強いのかな」とチトさん。

小さな端切れ1枚1枚を保管する際にも、愛情が込められているのがわかります。さらに、気に入っていたお洋服などを解体して、その布地を別のアイテムに作り直すこともあるし、友人から「この布、素敵だからチトさんの好きに使ってなにか作って」と言われることも多いのだとか。チトさんの手にかかれば、様々な布が素敵にアップサイクルされちゃうことを、みんな知っているんですね。

そう、チトさんの「布地愛」は、どこまでも深いのです。

ハワイの癒やしを感じるバッグやポーチ

「CHIT CHAT HAWAII」のアイテムはいろいろあるのですが、メインはバッグやポーチ類。

「自分の中でイメージを膨らませて、今日はどんな色のどんなバッグを作ろうかなって考えるんです。雨上がりの緑がきれいだからグリーン系のバッグを作りたいな、今朝の海がきれいだったからマリンブルーのポーチにしようかな、って」。

素敵!アーティストだわ…。

ヨーロッパのビンテージファブリックと、ハワイらしい布地、さらに他のバッグを作ったときに残った“端切れ”など、微妙に色味や手触りの違う布を組み合わせ、世界に一つだけのアイテムを作るチトさん。ハワイの自然にインスパイアされながら、ひとつひとつ丁寧に作られるバッグやポーチは、温かみや優しさも詰まっていてとても魅力的なんです。

色味や雰囲気、サイズなどをリクエストしてもらって、カスタムメイドでバッグを作ることもあるそう。日本から、何度もメールのやりとりを通してイメージを固め、本当にその人が欲しいと思ってくれる物を作る。同じ「青」と言われても、イメージする色みは人によって違うし、それは決して簡単なことじゃないのだけれど、チトさんのこだわりと、それに惚れ込むファンの方の信頼関係が、最高の1品を生み出すんだなあと感じます。

愛だよね、愛。

PCケースやメガネケース、欲しいと言われたら作る!(笑)

最近人気なのは、PCやタブレットを入れるポーチや、メガネポーチなのだそう。「こういうポーチが欲しいな」というお客さんの声から生まれ、今ではサイズ展開も様々に。内側にふわふわの布を使うことでクッションになるよう工夫されていて、内ポケットがあったりして使いやすさも最高です。私もしっかり、愛用させてもらってます(笑)。

ハンドメイドのマスクも話題に…

パンデミックの間には、ハンドメイドのマスクも話題でした。そうそう、チトさんって日本にいたときには看護師さんだったという経歴もお持ちで、医療現場に携わる方にも実際にお話を聞きながら、何度も試行錯誤してオリジナルのマスクを作ったんですって。

チトさんの、すべてにおいて通じる「ていねいなこだわり」が、本当に素敵だなあと。だからこそ、世界中にファンがいて、その多くがリピーターさんなんだろうと感じます。

ハワイの自然に包まれる個性的すぎるアトリエ

ちなみに、チトさんの自宅兼アトリエもすごいんです。
(アトリエの外観。真ん中で寝ているトラは、ぬいぐるみです。念の為(笑))

じゃーん!ラナイ(ベランダ)からの眺めがこれですから。なんと広大な!!

ハワイの大自然に囲まれた場所にあって、開放感もあり、まあ、いろいろワイルド(笑)。でも、この場所だからこそ、目覚めた瞬間からハワイの空気に包まれ、それがチトさんの作品にぎゅーーーっと込められる。

使う人が、目に見えない「ハワイ」を感じるのは、きっとその空間の為せる部分も大きいのだろうなと。

ご自宅のテラスには、大きなダイニングテーブルがあり、またご友人が作ったというお手製のカウンターテーブルからはこの眺望。遠くに海を眺め、鳥の声を聞きながらゆっくり過ごせるなんて素敵だー。

ときにはお友達を呼んでくつろぐ「チトカフェ」になるというテラス席、じつは私達も取材後にお茶とランチをいただいたのですが、これがまた幸せすぎる時間で。カップもアンティークでかわいかったなあ。

無理も無駄もない、アップサイクルなチト・ワールド

自然体で、ていねいに暮らすこと、そこから生まれるアートが優しさに満ちあふれること、好きなものだけを選んでシンプルに過ごすこと。

無理のない、無駄のない、アップサイクルなライフスタイル。だからね、チトさんの作品はかわいい、便利、なだけじゃなく絶妙な癒やしを感じさせてくれるわけですよ。

どれもこれも、世界に1つだけのアイテム!みなさんも、ぜひ、使うごとにふうっと幸せになる、“チト・ワールド”をのぞいてみてくださいね。

ちなみに、直営店はなく公式サイトからのオンラインショップが中心。時々、ポップアップ・マーケットに出店されることもあるそうなので、インスタグラムでチェックしてみてくださいね。

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