【学ぶハワイ】マカヒキとは?

2020.11.18

常夏として知られるハワイでは、日本のように四季を楽しむことはないものの、夏と冬の違いは感じられます。
冬の時期になると夏とは違って紫外線も弱くなり、日本同様に日没も早くなります。

古代ハワイアンにも彼らなりの季節感があったと言われています。
毎年10月もしくは11月の半ばからは「マカヒキ」と呼ばれるシーズンの到来です。

この時期には、古来の社会規範である「カプ」(kapu)により戦いが禁じられ、戦闘の神でもある「クー」に替わり、平和や収穫の神「ロノ」 が、人々の生活を司る季節になるのです。
ロノは、雨や豊穣、平和、愛、癒しなどを司る神で、この時期ばかりは庶民も、重労働や日々の生活の大きな部分を占めていた宗教儀式からも開放され、のんびりと過ごしたそうです。

今日はハワイにとって一つの重要な文化である「マカヒキ」についてご紹介します!

ハワイの創世記にもあたる神話、「クムリポ」に現れる四大神の一つ、ロノの司るハワイの冬の季節「マカヒキ」は、戦いを一切しない平和な時期でした。
そしてマカヒキは新たな年の始まりでもあり、ロノは、ハワイ語で「カヒキ」(kahiki) と呼ばれる大海の遙か向こうから、白い布のようなものをたなびかせて、この時期にハワイに到来すると信じられていました。

マカヒキの時期には、大きなロノの像を掲げた一団が王と共に各島を移動し、それぞれの集落で住民の歓迎を受けて捧げものを受け、ゲームやスポーツを見て楽しむのが習わしでした。
ロノと王への捧げものは、タロ芋やバナナ、魚などの食糧、そして王が身に着けるケープ や戦闘用の帽子にも使われる貴重な羽毛、釣り針、ポイ パウンダー(タロ芋をつぶしてポイを作る道具)、カヌー、戦いの道具などでした。
また、王は住民と交わり、自身の支配する地域の状況を把握する機会でもありました。

マカヒキシーズンのはじまりとは?

文字が無かった古代ハワイでは、地域や島によっても習慣は違ったと考えられますが、天文や星座に詳しいカフナ(神官)が東の空を見て、日没後に太陽の光が失せてスバル星団が東の水平線上に見えた日、もしくはスバルが見えた日の次に現れる新月の日からマカヒキは始まった、と云う説が有力です。

10月半ばにその日が訪れますが、11月半ばにマカヒキが始まると伝えられている地域もあります。
そして、マカヒキは約4ヶ月ほど続きました。

イスラム教では、新月を見て断食月の始まりの日を定めるという文化に似ていて、民族や宗教を問わず、月の満ち欠けは人間の生活習慣に深く関わっていたと言えますね!

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