【学ぶハワイ】ハワイの格言&ことわざ

2020.11.04

ことわざや格言のことをハワイ語でʻŌlelo Noʻeau (オーレロ ノッエアウ)と言います。

日本でもたくさんのことわざや言い伝えがありますが、
ことわざとは、観察と経験、そして知識の共有によって長い時間をかけて形成された言葉であり、文化に属する者の思考に、意識的あるいは無意識的に影響を及ぼすものとされています。

その土地ならではのことざわや格言があり、ハワイで先祖たちが残してきた言葉をご紹介します!

元々ハワイ語は文字を持たない口頭言語でした。
そのため、人々は話し言葉の中にたくさんの知識を蓄えて守り伝えてきました。
また、伝統文化でもあるフラを通して歌の内容を表現したり、文字がなくても言葉や踊りでコミュニケーションを図っていることもありました。

ハワイ語の格言やことわざをまとめた「ʻŌlelo Noʻeau」を、翻訳家、系図学者、クムフラ、諺の収集家として活躍し、常にハワイの道(ハワイのやり方)を生涯を通して愛し、それらを自ら身につけ、いつも心臓の近くに携えるレイのように大切にしてきたMary Kawena Pukui(メリー・カヴェナ・プクイ)氏が出版しました。

彼女が学び愛したハワイの道は、ハワイの人々のみならず世界中の人々にハワイの価値観を共有しています。

- Ola I ka wai a ka ʻōpua. (オラ イ カ ヴァイ ア カ オープア)
「雲からの水には生命がある」

雨は生命を与えるものです。
生命の源は水であり、空から与えてもらっていることを示す言葉です。

- Mai hoʻomāuna i ka ʻai o huli (マイ ホッオマーウナ イ カ アイ オ フリ
mai auaneʻi o Hāloa e nānā. マイ アウアネッイ オ ハーロア エ ナーナー)

「食べ物を無駄にしてはいけない
ハーロアがあなたを凝視しないように」

食べ物を無駄にしてはいけません、特にハワイ伝統食のポイ(タロイモの根をすり潰したもの)を。なぜならタロの神様であるハーロアが怒って、いつかその無駄にした人に飢餓を与えます。
この言葉のように食べ物を大切にするための教訓を示し、同時にタロイモの神様がハーロアであることも教えている言葉です。

- Ua ʻelepaio ia ka hana. (ウア エレパイオ イア カ ハナ)
「エレパイオによって仕事が台無しになった」

完成する前に止めなくてはならない仕事について語っています。
エレパイオという鳥は日の出と共に朝一番に起きて鳴き出す鳥で、例えばメネフネのような夜に働く精霊のような存在に知らせるのです。未完成の仕事はそこで台無しになってしまいます。
最後まで仕事を完了しないと、全てが無駄になってしまうというような教訓です。この言葉によってエレパイオという鳥がどういう性質を持った鳥なのかということも知ることができるのです。

- Ua ʻelepaio ʻia ka waʻa.(ウア エレパイオ イア カ ヴァッア)
「エレパイオがカヌー(ログ)を見つけた」

失敗の兆候を表現しています。
昔のカヌーメイカーはカヌーに使うコアの木の周りのエレパイオの動きに注意をしていました。もし鳥がその木をつついていたら、使っても無駄になるだけ、なぜなら耐航性がないからです。

鳥が木をつついているということは、そこに虫がいるからで、そのログを使ってカヌーを作っても失敗するだけという言葉から、失敗の兆候を戒めた言葉です。

合計2,942個のこのような言葉が詰まったʻŌlelo Noʻeauは、様々な側面から日々の生活に必要な知識や知恵を私たちに与えてくれたり、また過去のハワイアンの生活がどのようなものであったかを垣間見せてくれたりします。

今日はそのうちの数個をご紹介しましたが、ご興味のある方は是非本を読んでみてください。

私たち外国人がハワイへ訪れ、ハワイアンの方達と関わる時、一番大切なことはハワイ流のものの考え方、ハワイ文化に潜む価値観を理解し、尊重することです。
彼らが何を信じ、守って来たのかということを理解することで、私たちは日本との共通点を見いだすこともあり、また全く違った信念を見出すかもしれません。

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