
目次
今年3月、進水50周年を迎えた伝統航海カヌー「ホクレア」。天候の都合により航海が延期されていましたが、ハワイ時間6月3日(火)午前11時半ごろ、フランス領ポリネシアを目指してハワイ島ヒロ港のパレカイ埠頭から出航し、太平洋一周航海「モアナヌイアケア航海」を再び始動しました。「モアナヌイアケア航海」は、太平洋の島々をつなぐ壮大なプロジェクトで、2023年6月にアラスカからスタートしましたが、ラハイナの山火事とエルニーニョによる不安定な天候の影響で一時中断していました。そのため、今回の出航は本航海が本格的に再開される重要な節目として注目されています。
6月3日の出航に先立ち、ヒロの港では、クムフラ(フラの師匠)ケクヒ・ケアリイカナカオレと彼女の弟子たちによって、伝統的な文化的出航式が執り行われました。クルーたちとともに、ホクレアの系譜を称えるチャント(詠唱)が捧げられ、50年にわたるカヌーの歴史と、航海を導いてきた祖先の知恵に敬意が表されました。
「モアナヌイアケア航海」
約4年をかけて太平洋を一周し、総航程4万海里以上をめぐり、約100の先住民族の土地や港湾地域を訪れる壮大なプロジェクトです。この航海は、先住民族の伝統航海術の叡智を未来に繋ぎ、文化交流を通じて、海洋保全や持続可能な地球環境への意識を高めることを目的としています。ホクレアには日本人クルーも参加していて、今回の航海にも乗船しています。ホクレアの公式サイトでは、日本人クルーからの現地レポートの公開も予定されています。
航海区間の最初の目的地はフランス領ポリネシア。到着は出発から約3週間後を予定しています。ライアテア島の聖地タプタプアテアや、タヒチ島パペエテに立ち寄り、地元の人々との交流や先祖との深い結びつきを称える活動が約1か月間にわたり行われます。その後、ホクレアとサポート船「ヒキアナリア」は、クック諸島、サモア、トンガ、そしてアオテアロア(ニュージーランド)などへ航海を続けていく予定です。
そもそも、ホクレアって何?
ホクレアを知らない方は、まずこの質問が出ますよね。
ホクレアは、コンパスなどの計器を一切使うことなく、星や太陽の動き、波や風の変化など、自然が与えてくれるヒントのみを使って航海するハワイの伝統航海カヌーです。船体は、2つのカヌーを平行に並べて繋げた双胴船というスタイル。一度は失われかけた古代ハワイの伝統的な二胴型の外洋航海用カヌー(wa‘a kaulua)の設計に基づいてポリネシア航海協会により建造され、1975年3月8日にオアフ島カネオヘ湾の海岸から進水しました。以来40年以上に渡り、ハワイから太平洋の島々、日本、そして世界一周航海など、延べ約30万キロ、地球を約7周するほどの距離を航海してきました。今年はその進水から50周年。3月8日にはホクレアが50年前に進水した海岸にて、盛大に祝賀イベントが開催されました。
ポリネシア航海協会
1973年にハワイで設立され、伝統的なポリネシアの航海術(星や自然を使った航海法)を復活・継承し、教育・文化・環境保護を目的に活動し、体験学習や国際航海を通じて持続可能な未来づくりを支援している非営利団体です。その活動資金は、寄付や助成金、ボランティアの支援などによって成り立っています。
ホクレア・ウェブサイト:www.hokulea.com
Facebook:@hokuleacrew
Instagram:@hokuleacrew
今後の活動に注目!
ホクレアは、今回の太平洋一周航海「モアナヌイアケア航海」でポリネシア、オーストラリアなどを航海し、日本にも寄港する予定です。ハワイ州観光局では日本寄港を支援するプロジェクトを近々発表します。詳細、ホクレアの関連ニュースは、ここallhawaiiにてアップデートしていきますので、ご期待ください!
ホクレアについて日本語での詳細は、allhawaiiのホクレアサイトをご覧ください。