まるで映画のセット?! 昔ながらの佇まいを残すグローサリーストア

2017.02.10

ケアウホウ・ストア

 1800年代後半から1900年代半ばのさとうきび産業華やかなりし頃。今ほど道路事情もよくなく、交通の便が発達していなかったこの時代、 プランテーションの労働者たちにとっては、仕事場と自宅の間を徒歩で移動できるぐらいの狭い範囲が生活圏でした。そのため、小さなプランテーション集落の単位で日常の用を足せる、よろず屋的雑貨店がたくさん存在したのです。

 かつての幹線道を走ると、今だに営業を続けている、そんな商店をあちこちで見かけられるのがハワイ島。中でも、当時の姿をそのまま再現したようなお店が、サウスコナにあるケアウホウ・ストアです。コナ・コーヒーのふるさととして知られるホルアロアから、旧幹線道路ママラホア・ハイウェイを南にしばらく走ると現れる、アールデコっぽいデザインが目を引く大きな建物がそれ。

 一歩店に入ると、そこはまさに古き時代のジェネラルストア。百年前にタイムスリップしたかのような世界が広がります。

 このケアウホウ・ストアは、1919年創業。コナに移民してきた日系移民・佐々木ヨシスケさんが始めました。ヨシスケさんはもともと腕のいい大工でしたが、商才にも長け、周辺のコーヒー農園で働く移民たちのために、食料品のみならず、衣料文具から大工道具、果ては雑誌まで日本のものも広く取り寄せて店を成功させたそうです。ホルアロア一帯で一番大きな店になり、ガソリンスタンド、郵便局などの役割も務めました。1950年代に息子のリキオさんが引き継いでからは、ハワイ島で最初に自転車を売り出し、レコードや楽器、写真機やアクセサリーなども扱ったとかで、まさに当時のデパート的存在。店の前には広いラナイがありますが、ここはご近所の人たちが集うコミュニティ・スペースだったといいます。

 しかし1967年に新しいハイウェイができた後は時代が変わり、店は次第にコミュニティの中心から外れていきました。それでも細々と店を続けていたリキオさんでしたが、2009年に亡くなった後、大々的にリノベーションして、昔ながらの活気を取り戻させたのが現オーナーのカートさんとティアさんです。

「私たちが引き継いだ時、店の中は地下室から屋根裏に至るまでありとあらゆる在庫や書類が詰まっていて、どこから手をつけいいかわからないぐらいでした。でも一つ一つ整理していくうちに、それが今では手に入らない ビンテージ品であったり、歴史的に貴重な資料だったりすることがわかったの。店ではそんなお宝を展示もしています。だからここは雑貨屋だけじゃなくて、ミュージアムみたいなところなのよ」。
プランテーション時代のハワイや日系移民に興味があるなら、ぜひ立ち寄ってみて、とティアさん。

 お土産向けのギフトグッズなども売っているし、サンドイッチなどその場で作ってくれるデリコーナーもあるので、ドライブ途中の一休みにもオススメです。

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