マラマな取り組み|Malama Hawaii【マラマハワイ】|ハワイ州観光局公式日本語サイト

旅がハワイをより豊かにする。マウイ島で進む「再生型観光」の新しい取り組み

美しい海や山、豊かな自然、そして何世代にもわたって受け継がれてきた文化。
ハワイを旅すると、私たちはその土地からたくさんのものを受け取ります。
では、旅をすることで、私たちからハワイに返せるものは何でしょうか。
ハワイでは今、観光による負担を減らすだけでなく、旅行者が訪れることで、その土地の自然や文化、地域社会にもより良い影響をもたらす「再生型観光(Regenerative Tourism)」への取り組みが進められています。

2026年、ハワイ・ツーリズム・オーソリティはマウイ島で、その考え方を具体的な旅行者体験へとつなげる2つのコミュニティ・ツーリズム・コラボラティブ(地域観光連携プログラム)を実施しています。

一つは、ʻāina(大地)や地域の大切な場所を守る団体と旅行者をつなぐコミュニティ・ツーリズム・コラボラティブ(CTC-CS:地域観光連携プログラム ― コミュニティスチュワードシップ)。もう一つは、旅行者向けの体験そのものを、地域社会、自然、文化により良い影響をもたらすものへと発展させるコミュニティ・ツーリズム・コラボラティブ(CTC-RE:地域観光連携プログラム ― 再生型観光体験)です。

2026年は、CTC-CSに6団体、CTC-REに4団体、合わせて10の企業・非営利団体が参加しています。

ハワイに古くから受け継がれてきた「循環」の考え方

この2つのプログラムを理解するヒントになるのが、ハワイで何世代にもわたって人々の暮らしを支えてきたloʻi kalo(ロイ・カロ:タロイモの水田)です。山から流れてきた水は、ʻauwai(アウヴァイ)と呼ばれる水路を通ってloʻi kaloへ運ばれ、kalo(タロイモ)を育てます。そして水はそこで役割を終えるわけではありません。
水田を通った栄養豊かな水は再び下流へと流れ、ʻoʻopu(ハワイ固有の淡水魚)、iʻa(魚)、limu(海藻)など、さまざまな生命を育みます。さらに下流では、それらの生命がより大きな魚や海洋生物を支え、山から海まで豊かな循環を生み出してきました。
自然から受け取るだけではなく、その恵みをより豊かな形で次へとつないでいく。
この考え方が、2つのプログラムにも受け継がれています。

地域を守る人と旅行者をつなぐコミュニティスチュワードシップ

一つ目のコミュニティ・ツーリズム・コラボラティブ(地域観光連携プログラム ― コミュニティスチュワードシップ)では、ʻāinaや地域の大切な場所を守っている非営利団体を支援しています。このプログラムを象徴するのが、loʻi kaloへ水を届けるʻauwaiです。ʻAuwaiが水を運び、生命を育むために欠かせないように、ハワイの大切な場所を日々守る地域の人々や団体も、自然、文化、地域社会、そして旅行者をつなぐ重要な存在です。

2026年は、マウイ島を拠点に活動する6つの非営利団体が参加。それぞれの自然保全や地域活動を基盤に、旅行者によるボランティア活動(ボランツーリズム)や、自然・文化・地域社会への影響に配慮した管理されたアクセスなどを通じて、旅行者がその場所を守る活動に適切な形で関われる方法を検討しています。


Friends of Twin Falls Maui
人気スポットを、地域と旅行者がともに大切にする場所へ

ハナ・ハイウェイ沿いのハーマークアロア(Hāmākualoa)にあるTwin Fallsは、地域の人々にとって大切な場所であると同時に、多くの旅行者が訪れる人気スポットでもあります。Friends of Twin Falls Mauiは、旅行者の訪問が地域や自然環境への負担となるのではなく、その場所と地域社会の健全さに貢献する機会となるよう、地域、旅行者、そして周辺の大地や水とのより良い関係づくりに取り組んでいます。地域観光連携プログラムでは、旅行者がスチュワードシップ活動により積極的に関われる方法や、ハナ・ハイウェイをさらに進む前に地域について学ぶ機会をつくることを検討しています。目指しているのは、mālama ʻāina(マーラマ・アイナ:大地を大切に守ること)と学びを中心とした、新しい旅行者との関係です。


Imua Family Services
子どもや家族のための場所と、観光をどうつなげるか

Imua Family Servicesは、子どもの発達、インクルージョン、地域社会のウェルビーイングを支えるプログラムを通じて、長年にわたりマウイ郡の子どもたちと家族を支援してきました。ワイルクにあるWill Smith Imua Discovery Gardenは、その活動を屋外へと広げた場所です。子どもや家族、地域の人々が集い、遊び、学びながら、自然や文化、そして互いにつながることのできる環境を提供しています。地域観光連携プログラムでは、もともと地域の子どもや家族のためにつくられたこの場所に、旅行者がどのような形で関われるのかを検討しています。ハワイの植物を取り入れたガーデンづくりへの参加なども可能性の一つ。観光を、地域のために存在する資源や人々のつながりをさらに強くする力へと変えていくことを模索しています。

Makana No Ke Kaiāulu
地域の声と文化を中心に、旅行者とのponoな関係を

Makana No Ke Kaiāuluは、ワイヘエのパウクーカロ・ハワイアン・ホームステッド(ネイティブ・ハワイアンのための居住コミュニティ)に暮らすJanice、Gracey、Velmaという3人のnā Anakē(アンティ)から生まれた取り組みです。活動の中心にあるのは、地域社会を支えてきた人々のつながり、文化的な伝統、そして地域の基盤をより強くしていくこと。地域観光連携プログラムでは、旅行者が学びや貢献を通じて、その土地やkaiāulu(地域社会)とponoな関係を築くための方法を検討しています。旅行者を迎える場合にも、地域が大切にしていること、文化的な知識、そしてその場所を長期的に守っていくことを中心に据えた仕組みを目指しています。

Mālama Hāmākua Maui
約300エーカーの土地を再生し、人と植物のつながりを伝える

Mālama Hāmākua Mauiが守っているのは、ペアヒ(Peʻahi)近郊にある約300エーカーのオープンスペース保護区Hāmākualoa Kulāiwiです。マウイ郡によって地域のためのオープンスペースとして設けられたこの土地で、同団体は外来植物やゴミの除去、在来植物の再生などを続けてきました。かつて十分に管理されていなかった土地は、こうした活動を通じて、地域の人々に大切にされる場所へと変わってきました。現在検討しているのは、旅行者にも実際の保全活動に参加してもらい、手を動かすことを通じて、この場所とのpilina(ピリナ:つながり・関係性)を築いてもらうこと。さらに、この土地の植物と人々との神聖な関係を伝える、一般に開かれた民族植物園(ethnobotanic garden)の設立も検討しています。

Pacific Whale Foundation
ボランティア活動を、その場所を深く知る機会へ

Pacific Whale Foundation(PWF)は、科学、啓発活動、自然保護を通じて海洋環境を守る、マウイ島を拠点とする非営利団体です。40年以上にわたり、研究や教育を、ハワイをはじめ世界各地のクジラ、イルカ、海洋生態系を守る活動へとつなげてきました。近年はマウイの地域社会との関係にもより目を向け、他の地域団体をどのように支えることができるのかを考えています。地域観光連携プログラムでは、既存のMālama Ponoボランティアプログラムをさらに発展させることを検討。参加者が単にボランティア活動を行うだけでなく、自分が活動する場所、その場所とのpilina、そして自分自身が担うkuleana(クレアナ:責任・役割)について理解を深められるオリエンテーションの仕組みづくりを進めています。

Treecovery
未来のラハイナやクラに育つ木を、旅行者とともに

Treecoveryは、2023年8月のマウイ島山火事を受け、被災した地域で失われた木々や景観を再生するために設立されました。ラハイナ、クラなど山火事の影響を受けた地域で、樹木を育て、植え、その後も長期的に手入れを続けながら、地域全体に再び豊かな樹木が育つ環境を取り戻す活動を行っています。木を植えて終わるのではなく、それが成長し、地域の景観や環境の一部となるまで支えていく、長い時間を必要とする復興活動です。地域観光連携プログラムでは、この長期的な取り組みに旅行者がより積極的に参加できる方法を検討しています。旅行者が木々を育み、手入れすることで、いつかラハイナやクラに根を張る木々を支える。そんな具体的な行動を通じて、マウイの未来づくりに参加できる機会を目指しています。

「体験する」から「還元する」へ。再生型観光体験

もう一つのコミュニティ・ツーリズム・コラボラティブ(地域観光連携プログラム ― 再生型観光体験)では、旅行者向けの体験を提供する企業や団体とともに、その体験自体を地域社会、自然、文化により良い影響をもたらすものへと発展させています。このプログラムを象徴するのが、hoʻiwai(ホイヴァイ)です。Hoʻiwaiとは、loʻi kaloを通った水が再び川へ戻る場所。水はただ元に戻るのではなく、豊かな生態系から栄養を受け取り、より豊かな状態となって下流へ流れていきます。そこには、受け取るだけではなく、より良い状態にして次へ返していくという、互恵と再生の考え方があります。地域観光連携プログラム ― 再生型観光体験では、この考え方を旅行者体験にも取り入れています。旅行者がハワイから価値を受け取るだけではなく、その体験を通じて、ハワイの人々、ʻāina、文化、暮らしにも価値を還元すること。

2026年は、マウイ島を拠点とする4つの企業・団体が参加し、それぞれが持つ農業、海洋体験、教育、自然保護などの専門性を生かしながら、旅行者とマウイとのより深い関係を生み出す体験づくりに取り組んでいます。


Haleakalā Farm
再生型農業から、ʻāinaとのつながりを体験する

アップカントリー・マウイのクラにあるHaleakalā Farmは、再生型農業、ウェルビーイング、創造性、そしてʻāinaとのつながりを大切にする農園です。農園では野菜やハーブ、花、多肉植物など、さまざまな植物を育て、それらを活用した商品づくりに加え、ワークショップや体験プログラムも行っています。根底にあるのは、土地を持続可能な形で守り、地域社会を育み、より再生型の暮らし方を伝えていくという考え方です。地域観光連携プログラムでは、農園が持つさまざまな要素を一つにつなげ、旅行者向けの体験をさらに充実させることに取り組んでいます。旅行者がʻāinaとのつながりをより深く感じられると同時に、その参加が農園や再生型農業そのものを支える。そんな双方に価値のある体験を目指しています。


Maui Majesty

マウイで学んだ再生の知恵を、自分の暮らす場所へ

Lower Kulaにある約24エーカーのMaui Majestyでは、土地を再生するためのさまざまな方法を実践しています。その活動はEarth Repairと呼ばれ、土壌の再生、水資源の活用、パーマカルチャー、森林再生、自然素材を生かした建築など、多岐にわたります。農園では、こうした実践から得た知識や経験を、ツアーやワークショップなどを通じて人々と共有しています。地域観光連携プログラムでは、旅行者がこれらの再生型の取り組みについて、さらに深く学べる体験へと発展させています。マウイで体験して終わるのではなく、ここで得た知識や気づきを自分の暮らす地域にも持ち帰る。そして旅行者の参加そのものが、Maui Majestyがマウイで続ける再生の取り組みをさらに広げる力になることを目指しています。


Maui Pacific Divers

海を見るだけでなく、海を知り、守る体験へ

Maui Pacific Diversは、少人数制のスキューバダイビングやシュノーケリングを提供しています。グループをあえて小規模にすることで、ガイドと旅行者がより近い距離で交流し、大規模なツアーとは異なる、よりパーソナルな形でマウイの海を体験できることが特徴です。地域観光連携プログラムでは、この少人数制のスタイルを、マウイの海の再生にもつながる体験へと発展させる方法を検討しています。アイデアの一つが、シュノーケリングやダイビングをする旅行者自身が海洋環境の調査に参加し、そこで得られたデータを自然保護に取り組む人々に役立ててもらうことです。美しい海を見るだけではなく、その環境を理解し、守ることにも参加する。旅行者とマウイの海との関係を、一歩深める体験を目指しています。


PacWhale Eco-Adventures

海洋保全から、マウイの人・文化・地域とのつながりへ

PacWhale Eco-Adventuresは、さまざまな海洋ツアーを通じて、Pacific Whale Foundationの研究、教育、自然保護活動を支えています。旅行者をマウイの海洋環境とつなぐとともに、事業によって生み出される収益を、クジラやイルカ、海洋環境を守る活動に役立てています。これまで自然保護と科学的研究を中心に活動してきた同団体は、現在、旅行者体験をより包括的な視点から見直しています。地域観光連携プログラムでは、海洋環境だけではなく、マウイの人々、場所、地域社会、文化とも旅行者をより深くつなぐ方法を検討しています。旅行者が自然について知るだけでなく、自分たちを迎えている地域社会について理解し、どのように関わるのか。マウイを単なる訪問先として見るのではなく、ホストコミュニティとの関係まで含めて旅を捉える体験へと発展させることを目指しています。

2つのプログラムが目指す、これからのハワイ観光

コミュニティスチュワードシップと 再生型観光体験。
名前は少し似ていますが、それぞれ異なる役割があります。
CTC-CSは、ʻāinaや地域の大切な場所を守っている団体を支援し、旅行者がボランティア活動や適切に管理された訪問・利用などを通じて、その活動に適切な形で参加できる仕組みを育てるプログラムです。一方、CTC-REは、旅行者向けの体験を提供する企業や団体とともに、その体験に再生型観光の考え方をより深く取り入れ、地域社会、自然、文化により良い影響をもたらすものへ発展させるプログラムです。方法は異なりますが、目指している方向は共通しています。それは、観光を地域から切り離して考えるのではなく、地域社会、自然、文化とのつながりの中で捉えることです。

旅の先にも、ハワイとのつながりを

ハワイの自然や文化について知る。
地域で活動する人々と出会う。
ʻĀinaを守る活動に参加する。
地域でつくられたものを選ぶ。
そして、旅で得た学びを、その後の暮らしにも持ち帰る。
そうすることで、旅は単に訪れて終わるものではなく、訪れた場所とその未来につながるものになります。
ハワイから受け取ったものを、自分の中だけにとどめない。
訪れた場所にも価値を還元し、その想いや学びを次へとつないでいく。
マウイ島で進む2つの地域観光連携プログラム は、そんな新しいハワイの旅のあり方を形にしていく取り組みです。

関連情報
2026年の参加団体やプログラムの詳細については、Hawaiʻi Regenerative Tourismの公式サイトをご覧ください。
Community Tourism Collaborative – Community Stewardship(CTC-CS)2026
Community Tourism Collaborative – Regenerative Experiences(CTC-RE)2026

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