こんな身近な所に⁉カメハメハ5世に関わる場所や建物の数々をご紹介

2023.12.26

12月です!1年の締めくくりの月…様々なイベントやパーティーが目白押しで、忙しくも楽しい月ですね。

ハワイの12月の大イベントといえば、「ホノルル・マラソン」。2023年は12月10日に開催され、参加者の方々は、クリスマスのディスプレイで美しく飾られたダウンタウンやワイキキを含め、ホノルル市内を走られました。

実は毎年、このホノルル・マラソンの開催日前後に、ハワイ王国にとって大事な日があるんです。それは、12月11日。何があった日なのでしょうか?

12月11日。ハワイ王国を統治した「カメハメハ5世」が誕生、そして…

12月11日という日は、ハワイ王国を統治した5代目の王「カメハメハ5世」の誕生日で、1830年に、カメハメハ大王の孫として生を享けました。

(カメハメハ5世。写真:Hawaii State Archives)

お名前は「Lot Kapuāiwa Kalanikupuapaikalaninui Kalanimakua Ali‘iōlani」。王となる前は「プリンス・Lot(ロット)」「プリンス・ロット・カプアイヴァ」と呼ばれ、現代でも「プリンス・ロット・フラ・フェスティバル」など、お名前を耳にすることがあります。

1863年にカメハメハ5世として即位したプリンス・ロット(以下、カメハメハ5世、または5世)。5世が即位した頃、欧米の文化や習慣がハワイに浸透する中で、政治の場ではハワイ語を使用したり、フラの復活を助けるなど、古代ハワイの文化を復興させようと努めた方です。

そんなカメハメハ5世は、祖父であるカメハメハ大王をとても尊敬していて、大王を称える「キング・カメハメハ・デー」(6月11日)を制定した人物でもあります。自身の誕生日が12月11日、その日から、1年の中で反対の位置にある6月11日をキング・カメハメハ・デーにすることで、大王への敬意を表したと言われています。

(キング・カメハメハ・デーのイベントの一環で、花のレイによって飾られたカメハメハ大王像。)

カメハメハ5世がハワイ王国を統治して9年…内蔵疾患を患っていた5世は、体調を悪化させ、1872年に42歳で生涯を閉じました。その日は奇しくも、ご自身の誕生日である12月11日でした…。

カメハメハ5世にゆかりの建物や場所が、実は身近なところに!

カメハメハ大王やカラカウア王に比べ、話題となる機会が多くはない印象の5世ですが、実は、5世に関する場所や建物に、皆さんも、行っていたかもしれないのです!5世にゆかりの建物や場所を、いくつかご紹介いたしましょう。

ピンクの外観が美しい「ザ・ロイヤル・ハワイアン」

ワイキキを代表するホテルの一つ、ザ・ロイヤル・ハワイアン・リゾート・ワイキキ。この建物がある場所は、かつて、このような様子でした。

(写真:Hawaii State Archives)

三角屋根の建物が、カメハメハ5世の別荘です。5世が過ごした場所にあるホテルということで、宿泊されたら、王族と同じ場所で目覚める、という経験ができますね。

ロイヤル・ハワイアン・センターにある「パウアヒ王女像」

ロイヤル・ハワイアン・センターの中央部にある「ロイヤルグローブ」には、カメハメハ5世と結婚するはずだった、バーニース・パウアヒ王女像があります。しかし、パウアヒ王女は、アメリカ人のビショップ氏と出会い、結婚してしまいます。5世はその後、結婚することなく、後継者を指名できないまま亡くなられたことで、カメハメハの名は5世で途切れてしまいました。5世とパウアヒ王女が、もし結婚していたら…ハワイの歴史は、大きく違っていたかもしれません。

5世の名を冠する「アリイオラニ・ハレ」

有名なカメハメハ大王像の後ろにそびえ立つ建物は、5世が使う宮殿として設計されたものでしたが、5世の希望により、住まいとしてではなく、議事堂として使う目的に変更され建てられました。しかし残念ながら、完成前に5世がお亡くなりに…。現在は、最高裁判所と、ハワイの裁判の歴史が学べる博物館となっています。正面に付けられた時計の下を見ると…

しっかり「KAMEHAMEHA ELIMA, KA MOI.(カメハメハ5世、王様)」と刻まれています。この建物の名前の「アリイオラニ」は、5世の名前の一部です。

その名も「カメハメハ5世郵便局」

ダウンタウン散策の楽しみは、美しい歴史的建造物が次々と見られること。1800年代に建てられた美しいデザインの建物が並ぶマーチャント・ストリートには、1870年に完成した、ハワイで初となる郵便局の建物が保存されています。

(完成当時の建物の様子。写真:Hawaii State Archives)

カメハメハ5世の指示により建てられたものですが、「郵便局にあたる建物を建ててほしい」と要望を出していたのは、当時、郵便事業を取り仕切っていた、後に王となるカラカウアだったという話が残っています。

この木、何の木?気になる木~♪でおなじみ「モアナルア・ガーデン」

ハワイの空の玄関、ダニエル・K・イノウエ国際空港のすぐ近くにある「モアナルア・ガーデン」。この木、何の木?気になる木~♪の歌でおなじみの「日立の樹」がある所で、広大な芝生の広場が広がる中に、モンキーポッドやウル(パンの木)などの木々や、歴史的建造物が見られます。保存されている建物の中には、カメハメハ5世が別荘として使っていた建物も。

「日立の樹」を見にいかれる方はぜひ、広いガーデン内を散策してみては?

観光客の方々にもおなじみの場所に、カメハメハ5世にまつわる場所が、いくつもあるんです。ホノルル・マラソンに参加された方々は、5世ゆかりの場所も走り抜けていたんですね。事前に知れば知るほど面白い、ハワイの街歩き。見かける歴史的建造物が、誰にまつわるものなのかを調べてみると、面白い発見があるかもしれません。

(写真:カラーのものは全てHawaii Historic Tour LLC 提供)

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