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ハワイ州、26のネイティブ・ハワイアン文化プログラムに98万ドルを助成
ハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)は、ネイティブ・ハワイアン文化を支援・強化する取り組みの一環として、州全体の住民と来訪者に本物の体験を提供するため、ククル・オラ・プログラムを通じて26の地域団体に総額98万ドルの資金を助成しました。
「ククル・オラ・プログラムにより、ハワイ文化を継承し続ける人々や団体に直接支援を行うことができます」と、ハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)暫定局長 兼 最高責任者のキャロライン・アンダーソン氏は述べています。「こうした取り組みは、ハワイの住民の暮らしを豊かにすると同時に、来訪者に島々とのより深いつながりを体験する機会を提供します。」
ククル・オラ・プログラムは、ハワイの文化的実践を継承し、教育プログラムを提供し、文化遺産を保存するとともに、地域の誇りを育む団体を支援しています。助成を受けた多くのプログラムでは、世代を超えた学びの機会を提供し、新たな文化リーダーの育成を行い、住民と来訪者の双方が体験できる本物の文化体験を展開しています。本プログラムは、HTAが推進するデスティネーション・スチュワードシップ(観光地管理)プログラムの一環であり、ハワイアン・カウンシルの一部門であるキロハナ(旧称:ネイティブ・ハワイアン・アドバンスメント協議会)とのパートナーシップによって運営されています。
ククル・オラ・プログラムによる支援対象(全26プログラム・団体)
州全域
カニ・ア・オラ:エコノミック・レジリエンス・フォー・メレ・プラクティショナーズ(Kani a Ola: Economic Resilience for Mele Practitioners):カーフリ・レオ・レア主催。ネイティブ・ハワイアンのメレ(伝統音楽・詠唱文化)継承者の経済的持続可能性を支援するプログラム。収入可能性を高めるための研修や知的財産管理に関する教育、有償のパフォーマンス機会を創出するとともに、リゾートエリアでの無料公演やワークショップを実施。これにより、メレを住民と来訪者の双方にとって文化的・経済的資源として継承していく。
クイーン・リリウオカラニ・ケイキ・フラ・フェスティバル(Queen Liliʻuokalani Keiki Hula Festival):カリヒ・パラマ文化芸術協会主催。ハワイ最後の君主であるリリウオカラニ女王を称え、フラを通じてハワイ文化を継承。ハワイおよび日本から25のハーラウ(フラ教室)が参加し、3部門で競演する。
ハワイ島・カウアイ島・オアフ島
モオレロ・マターズ・スピーカー・シリーズ・スクリーニングス 2025–26(Moʻolelo Matters Speaker Series Screenings 2025–26):アロハ・クアモオ・アイナ主催。オアフ島、カウアイ島、ハワイ島で、「ʻAi: 食べることの責任と特権」シリーズを題材にした無料上映会を4回実施。ストーリーテリングとディスカッションを通じて住民と来訪者の双方を巻き込んで食の文化的、精神的、環境的役割を探求する。
ハワイ島・オアフ島
カウレレ「ホオヌイ・イケ」(Kaulele “Hoʻonui ʻIke”):ネイティブ太平洋教育文化研究所主催。オアフ島とハワイ島で、カパ(樹皮布)、カウラナ・マヒナ(月暦)、ロコ・イア(養魚池)をテーマとした移動展示を行い、ネイティブ・ハワイアンおよび太平洋諸島系の若者に文化的背景に根差したSTEM教育を提供する。
ハワイ島
エ・オレロ・ハワイ・カコウ(E ʻŌlelo Hawaiʻi Kākou):イーエー財団主催。ハワイ語の入門プログラム。ホテルやコミュニティセンターで、毎月2時間の対面型体験セッションを開催し、ハワイ語学習を体験型アクティビティ、ストーリーテリング、チャント(詠唱)/歌と組み合わせることで、責任ある観光を促進し、ハワイとの深いつながりを育む。
ホロムア・イム・メアアイ(Holomua Imu Mea ʻAi):メン・オブ・パア主催。伝統的なハワイのイム(地中かまど)を中心とした食文化プログラム。毎月の地域イベントを通じて、文化の管理(スチュワードシップ)、癒し、そして kāne(成人男性) の社会への関わりを促進する。
フラ・アーツ・アット・キラウエア(Hula Arts at Kīlauea):ボルケーノ・アーツ・センター主催。ハワイ火山国立公園で2025年7月から2026年6月にかけて月例の無料フラ公演、週例の文化クラス、隔月の語り部セッション、そしてメーデーの祝祭イベントを、続して実施。
ザ・プアカレフア・プロジェクト(The Puakalehua Project):ポーハーハー・イ・カ・ラニ主催。ワイピオ渓谷とマヒキの周辺で、チャント、フラ、歌、地域に根差した歴史をテーマとした月例ワークショップを開催。住民と来訪者に文化的重要性を伝えるとともに、侵入種やオヒア急速枯死症などの環境脅威について啓発する。
カウアイ島
アン・インタープリティブ・プラン・フォー・リマフリ・ツアーズ(An Interpretive Plan for Limahuli Tours):ナショナル・トロピカル・ボタニカル・ガーデン主催。ハワイ文化の価値観や実践者との協働に基づいて、新しい解説ツール(看板、ガイドブック、ツアー内容)を作成し、リマフリ庭園と保護区に関する来訪者の理解を深める。
ヒヒアカラハウ(Hihiakalāhau):ピハナ・カイケナ主催。ワイルア川沿いの4.4エーカーの聖地(旧カモキラ村)を再生し、文化実践者、住民、来訪者のための文化的な聖域として整備。伝統的なハレ(家屋)、庭園、教育スペースを設ける。
マーリエ・ファウンデーション・フェスティバルズ(Mālie Foundation Festivals):マリエ財団主催。ネイサン・カラマ氏の功績を称え、フラや音楽の祭典、ワークショップ、カウアイ・モキハナ・フェスティバルを開催。文化的誇りを育み、フラやハワイ文化の継承を促進する。
マウイ島
カ・ハレ・オ・カ・ラー:ア・レストレーション・オブ・ザ・ハレアカラ・ビジター・センター(Ka Hale o Ka Lā: A Restoration of the Haleakalā Visitor Center):ハレアカラ・コンサーバンシー主催。ハレアカラ国立公園ビジターセンターの内部を再整備し、文化体験できる、アクセスしやすい入場体験を創出する。
カイアウル・オレロ:クラ・カウウェラ・オ・ハ(Kaiāulu ʻŌlelo: Kula Kauwela o Hana):ハナ・アーツ主催。
東マウイの若者対象の3週間にわたるハワイ語・文化体験プログラム。週ごとの公演や最終の発表会を通じ、学生が学んだ伝統的なチャント、踊り、物語を地域に共有する。
ザ・カポホ・ロコ・イア・カロ・アンド・ロイ・カロ・プロジェクト(The Kapoho Loko Iʻa Kalo and Loʻi Kalo project):ハワイ・ランド・トラスト主導。マウイ島ワイヘエ沿岸砂丘・湿地保護区(277エーカー)の生態系と食料生産を回復するプロジェクト。歴史的に重要なこの地域にはロコ・イア(養魚池)やロイ・カロ(タロイモ畑)が含まれる。
モロカイ島
エ・ホイ・イ・カ・ピコ・プロジェクト(E Hoʻi I Ka Piko Project):カ・イプ・マカニ文化遺産センター主催。モロカイ・ヒストリープロジェクトを引き継ぎ、地域の物語や祖先の知恵を収集・継承し、モロカイの歴史を住民自身が共有できるようにする。
メ・ケ・アロハ・プロジェクト(Me Ke Aloha Project):カラマウラ・ホームステッダー協会主催。土地管理、自然保護、文化的実践の教育を通じてモロカイの精神を伝える。地元の若者を巻き込み、来訪者に意義ある文化体験を提供すると同時に、次世代が地域の伝統を守る力を育む。
オアフ島
ザ・アロハ・エクスチェンジ:シェアリング・カルチャー、ビルディング・コミュニティ(The Aloha Exchange: Sharing Culture. Building Community):ワイキキ・コミュニティセンター主催。1年間にわたり、フラや織物、地域に根差した学びや環境保全を含む、実践的で本物の文化体験を提供し、住民・文化実践者・来訪者を繋ぐ。
ディープニング・カルチュラル・アンダースタンディング・スルー・オーセンティック・プログラミング(Deepening Cultural Understanding through Authentic Programming):マノア・ヘリテージセンター主催。伝統的なハワイの語り部、フラ、在来植物の教育を組み合わせた年間プログラム。学生と一般を対象に、文化理解と世代間交流を促進する。
カマアイナ・サンデーズ・アット・イオラニ・パレス(Kamaʻāina Sundays at ʻIolani Palace):イオラニ宮殿友の会主催。オーディオツアー、フラ公演、生演奏を通じて、ハワイ語や本物の物語伝承を重視した文化体験を提供する無料プログラムを毎月実施する。
カプ:オナーリング・セイクリッド・コネクションズ・ビトウィーン・ピープル・アンド・プレイス(Kapu: Honoring Sacred Connections Between People and Place):ハワイアン・ミッション・ハウス歴史遺産・文書館主催。二部構成の文化プログラム「Pilina Kapu」「Wahi Kapu」を通じ、文化実践者によるフラ、メレ、オリ、モオレロを共有する。
キープカ:ア・メイカーズ・スペース(Kīpuka: A Maker’s Space)ヤング・オブ・ハート・ワークショップ/プウホヌア・ソサエティ運営。レイフル(羽飾り)、カパ(樹皮布)、ラウハラ編み、網作りなどの体験型ワークショップを通じ、住民と来訪者の交流しながらハワイの文化プログラムがを学べる場を維持し、拡大する。
レイ・ホオヒエ — ナー・モオレロ・オ・オアフ(Lei Hoʻohie — Nā Moʻolelo o Oʻahu):ヒカアラニ主催。ハワイ語新聞に掲載されたオアフの地域物語を調査・デジタル化・共有し、教育カリキュラムを通じて教育者、地域社会、観光業界に広める。
マモ・ウェアラブル・アートショー・アンド・マーフー・マッドネス(MAMo Wearable Art Show and Māhū Madness):PAʻI財団主催。ネイティブ・ハワイアン文化を祝うイベントで、ネイティブ・ハワイアンのアーティストが住民と来訪者に作品を発表する機会を創出。
オフクラ・レーシング・プログラム(OHCRA Racing Program):オアフ・ハワイアン・カヌーレース協会主催。現在および将来的に予測される参加率15%の増加を基盤に、ハワイアン・カヌーレースの発展を支援するもの。このプログラムは2025年と2026年の2シーズンにわたって実施され、OHCRA(オアフ・ハワイアン・カヌーレース協会)に所属する22のカヌークラブが参加し4,600人以上のパドラーと15,000人の支援者が関わる。
ピリ・マイ 2025(Pili Mai 2025):カウルアカラナ主催。伝統的なクイ・カロ(タロイモ摺り)を通じて、カイルアの家族や教育者を再び結び付ける年間プログラム。
アーバン・マカヒキ・アット・アアラ・パーク(Urban Makahiki at ʻAʻala Park):トラスト・フォー・パブリック・ランド主催。アーバン・マカヒキは、ホノルル市内のアアラ・パークで開催される文化イベントで、地域住民と来訪者が公園の歴史や周辺のアフプアア(古代ハワイの伝統的な土地分割制度で、山から海までを一体として管理していたもの)を再認識することを目的としています。このイベントは2025年11月15日に開催予定で、秋には関連アクティビティも実施される。モオレロ(物語)、ワイ(水)、そしてマカヒキ(収穫祭)といったハワイ文化の重要な伝統を紹介し、その理解と体験を促進する。