必見!胸熱フラショーで感動のタイムスリップ

2024.03.25

1937年にスタートし65年続いたコダックフラショーを覚えている方はどのくらいいるだろう。私は2000年になる年に移住しているのに、コダックフラショーを見たことがない。あの当時、駆け出しのコーディネーターでコダックフラショーのことは知っていたけれど、ハワイの文化や歴史に疎く、日々の撮影に忙殺され、見に行ってみようなんて露ほども思わなかった気がします。ショーが終了する2002年に、そんなニュースを見たのは覚えていても、遠い記憶。時折アンティークショップで見るコダックフラショーの絵葉書を手に取り、一度見てみたかったなあなんて、知らないが故の無知さでふんわりと思うだけ。
そんな私にも20年の時が経ち、少しだけハワイの知識が増え、コーディネートする仕事や分野も多岐に渡り、文化的な思考や歴史的背景などを見聞きして学び、住んでいるからこその肌感も足され、ハワイが持つ魅力に敬意を持って接することができるようになってきました。

2024年2月15日、コダックフラショーが現代風にアレンジを加え「キロハナ・フラショー」として復活。これは行かねばと、日本から来ているフラ愛好家の友人と出かけてきました。
毎週日曜から水曜日までの開催で、場所は以前と変わらずワイキキシェル隣接の野外劇場。この日はパパコレアというハワイアンの居住区に住むクプナ(シニア)の皆さんが来ていて、ラウハラハットにアロハシャツやムームーなどでドレスアップした姿も見かけました。きっとコダックフラショーを見たことがある人たちなのでしょう。開演前からクプナたちのわくわく感がこちらにも伝わってきて、それがなんともいい気分にさせてくれる。

カヒコ(古典)フラからはじまり、野外に響くイプの音と歌声、そして踊り手の神妙な顔つきは、ぎゅっと観覧客の心を掴みます。会場にはハワイ古来種の植物が植えられ、踊り手も歴史あるフラショーに出演するのは背筋が伸びる思いなのかもしれない。
メリーモナークの司会も務めるキモ・カホアノさんがMCをしながら紡ぐフラショーはアウアナ(現代)フラ、観客参加のフラレッスンなども入れてたっぷり1時間のショー。

フラダンサーは20名ほどで、その中にはクプナダンサーもたくさん。コダックフラショーに出演経験もあるダンサーたちが今はクム(フラの先生)となっているにも関わらず、この場で踊ることを楽しんでいる。著名なクム・レイモミ・ホーさんは1960年から2002年終了の時までこの場所で踊っていたダンサー。レイモミさんのゆったりとした踊りが20年ぶりにまた見られるなんて。見る人、歌う人、出番を待つダンサーが一心に見つめる瞬間に胸が熱くなる。

燦々と太陽が降り注ぐ青空の下、貿易風が頬をなでるこの場所はなんと気持ちがいいんだろう。フラはハワイを代表する文化で、尊いものとされています。そして観光もまた現代のハワイを支える大切な要素。コダックフラショーが始まった87年前にはスカイダイビングも、パラセイリングもドルフィンウォッチングのツアーだってなかったでしょう。ハワイへ観光でやってきた人々は、この気持ちのいいハワイの空気の中、初めて生のフラを見て驚き、その魅力に一瞬にして虜となり楽しい時間を過ごし、旅の一番の思い出として胸に刻んだに違いない。気持ちは穏やかであるのに、心の隅々までどきどきと胸の高鳴りが伝わる幸せと余韻。なんでもある現代だって、そんな気持ちにさせてくれる。ハワイの文化をフラを介し、観光という架け橋で世界に届ける。ハワイ一番の思い出を作りに、この場所へたくさんの人々が訪れてくれることを心から願う。

この記事に関連するタグ
【4月22日はアースデイ】ハワイでの環境にやさしいイベントを紹介!
【4月22日はアースデイ】ハワイでの…
2024.04.01
コラムの一覧
トロリー?ウーバー?ワイキキ滞在中の「足」、昔と今とではこんなに違う
トロリー?ウーバー?ワイキキ滞在中の…
2024.03.22

「遊ぶ・体験する」の最新コラム&ニュース