ハワイのデスティネーションマネージメントアクションプラン (DMAP)について

2021.07.02

ハワイ州が目指す方向

ハワイ州は、これまで訪問者数を増やすための観光戦略を優先し、その結果、2019年は、渡航者数が年間1000万人超え、ハワイの自然環境に大きな影響を与え、住民の観光業への満足度が低下していました。

それを受けハワイ・ツーリズム・オーソリティは、旅行者も住民も満足する観光地としてマーケティング戦略に転換しました。
そして、「2025年までのハワイ州観光戦略」では、「自然保全」「文化継承」「コミュニティリレーション」「ブランドマーケティング」を主軸の4本柱として掲げました。

各島で、ローカルコミュニティと共に、観光戦略を立案し、ハワイのブランドを維持、強化しながら、自然環境、文化継承、コミュニティリレーションに焦点をあて、持続可能な社会を作り上げていくことを目指しています。そのための主要な評価指標(KPI)として、訪問者数ではなく、「住民の満足度」、「旅行者の満足度」、「1日あたりの渡航者による消費額」、「渡航者による総消費額」を設定しています。

DMAPとは

ハワイ・ツーリズム・オーソリティは、ハワイ住民、観光客にとって満足度の高い観光地となるために「2025年までのハワイ州観光戦略」を策定しましたが、ハワイへ訪問する観光客に向けて、責任ある観光客となってもらうために、ハワイ渡航前から啓蒙活動を行っています。
そこで、自然と文化を継承するために、オアフ郡、ハワイ郡、マウイ郡、カウアイ郡の各郡では、 Destination Management Action Plan、通称DMAPがあります。

DMAPとは、観光経済と地域コミュニティ、自然資源と文化資源、住民の生活の質のバランスを保つための、今後3年間(2021年から2023年)のアクションプランです。このDMAPも、「自然保全」「文化継承」「コミュニティリレーション」「ブランドマーケティング」の4つの柱を基にしています。

DMAP内では、各島の現状、観光のための目的、プラン、目標を掲げています。
また、特定の観光地で、観光客の著しい増加に伴い、住民生活、自然環境に負の影響を与えている観光地も紹介しています。

是非、ツアー造成、行程作成において、DMAPを参考にしながら、オーバーツーリズムとなり、住民、観光客にとっても満足のできない観光地を選定しないように心がけてください。
なお、オアフ島のDMAPは、今夏に公開予定です。

https://www.hawaiitourismauthority.org/what-we-do/hta-programs/community-based-tourism/

DMAP:マウイ島、ラナイ島、モロカイ島版

ハワイ観光戦略の4本柱

ハワイ州観光局は、この古代から受け継がれた自然を次世代まで守り続けるために、「自然保全」「文化継承」「コミュニティリレーション」「ブランドマーケティング」の4つを主軸として活動を行っています。

自然保全

自然・文化的資源の尊重
自然・文化的資源の尊重 ハワイの自然資源や文化遺産の保護活動を支援し、住民の生活の質を改善し、旅行者の滞在体験を向上させるために、ハワイの自然資源と地域遺産の保全活動を支援するプログラム開発を行います。

文化継承

ハワイの伝統文化と地域社会を支援
州民や旅行者へ本質的で正確なハワイの文化体験を提供するために、文化団体との協力をえて、ハワイの固有の伝統文化と地域社会の独自性を継承し、理解と尊重を高めます。

コミュニティー リレーション

より豊かな観光業と地域社会の確立
地域社会が評価し、ハワイの観光戦略に沿ったプログラムを支援することで、住民と地域社会が確実に観光の恩恵を受けられるよう努めます。州民と旅行者の関係性を強化することで、よりレジリエントな観光と地域社会の確立を目指します。

ブランド マーケティング

観光業を通じた社会貢献を強化
ハワイ固有の文化や多様な地域社会、自然環境に焦点を当てることで、ハワイのブランドを守り、ハワイ経済を支え、観光業を通じた社会貢献を強化します。
そのために、「ポノトラベラー(責任ある旅行者)」を誘致するレスポンシブル・ツーリズムを推進します。

マラマハワイの企業取り組み:海洋保全
マラマハワイ
マラマハワイの企業取り組み:海洋保全
2021.07.16
お役立ちツールのコラム一覧
マラマハワイの企業取り組み:植樹編
マラマハワイ
マラマハワイの企業取り組み:植樹編
2021.06.23

「お役立ちツール」の最新レポート