【学ぶハワイ】ハワイにはどんな植物がある!?

2020.05.20

リゾート観光地のイメージが強く持たれるハワイですが、実は守られてきた自然もたくさん残っています。
ハワイは海上に姿を現して以来、一度も他の大陸や島と地続きになることはありませんでした。
ハワイ諸島の中でも古い島では、数百万年以上もほぼ独立した自然を維持してきたのです。

そんなハワイ特有の土地に生きる植物を、今日は簡単な図鑑形式でご紹介!
ビーチやショッピングなどとはまた一味違ったハワイの魅力と出会えるかもしれません!

ハワイの植物とは?

ハワイ諸島はハイビスカスやプルメリアなど、色鮮やかな美しい花々に彩られています。その種類は2万を超えるとも言われますが、そのほとんどが外来種で、ハワイに固有の植物はごく一部にすぎません。

植物は、特定の地域に限定して分布する「固有植物」と、人によって外部から持ちこまれた「外来植物」、そしてハワイでは島に定着したポリネシアの人々が、長距離のカヌー航海の末に苦労して持ちこんだ「伝統植物 (カヌープランツ)」の3つのカテゴリーに分かれます。

固有植物

ハワイは他のどの大陸からも3,000km以上離れた太平洋の真ん中に浮かぶ島。そのため、動植物が自然とハワイ諸島に根づく可能性は極めて低いと言えます。ハワイには固有植物が約2,944種類あると言われているんです。

しかし、絶滅の危機に晒されている固有種が多くあることも事実。

その背景には、その昔、ポリネシアの人々がハワイ諸島に移住するとき、約20数種の植物を生活必需品として持ちこんだこと、また犬、豚、鶏などの動物を持ちこんだ結果、安定していたハワイの自然は徐々に崩れていったことが挙げられます。また、ハワイ島の花としても制定されている「オヒアレフア」のように、ここ数年、植物に寄生する菌によって減ってきてしまっている植物もあります。

ハワイに生きる固有植物を未来へ残していくために、植物を触ったり傷つけたりせず温かく見守っていただけるようご協力をお願いします!

固有植物一例

- イエローハイビスカス(マオハウヘレ)
ハワイの州花としても制定されているイエローハイビスカス。黄色のハイビスカス=州花ではなく、特定の「マオハウヘレ」という品種が州花です。マオハウヘレとは、ハワイ語で「緑色をした(生息地が)移り変わる」という意味も持ち、この花は黄色の花弁をつけますが、花後に緑色になることと、新しい土地に出現することが由来とされています。

- ナウパカ
ナウパカには海岸に生育するものと山間に生育するものと、2つの種類があります。ハワイには人が暮らす前から海岸のナウパカがありました。特徴は、半円形で幅広の花びらを持ちます。塩害に強く、よく砂防用として植えられます。白色の実から採れる果汁は充血時の目薬として用いたり、髪を洗ったあとの香料として用いられてきました。この花にまつわる多くの伝説も言い伝えられています。

- オヒアレフア
オヒアレフアは、ハワイ島の島花で、ハワイで最も環境に適応し、広く分布する植物。ハワイ諸島全土のおよそ20パーセント前後を占めるとも言われ、最も広範に分布するハワイ固有植物です。樹高は20cm程から30 mを超すものまでさまざま。樹皮の質感や枝振り、葉の色や形状などは環境によって大きく異なります。
きれいな水を土壌に与え、ハワイに生息する動物たちにとってもオヒアレフアは必要不可欠な存在です。

- コア
カヌーの材料となった伝統文化を支える固有植物。ハワイ原産の樹木としては最大級で、30mを超す高さに生長します。間伐材は高級家具や楽器、工芸品などに使われています。コアの森はハワイ諸島の数カ所に残りますが、ハワイ島では全盛時の10分の1以下の規模しかなく、保護・育成の努力を怠ることができません。

外来植物

ハワイの植物イメージといえば、ハイビスカス、プルメリア、ブーゲンビレアなどが思い浮かぶ方が多いかと思います。しかし、これらはいずれも外来の植物。今日に至るまで、ハワイ諸島には2万を超える外来種が持ち込まれました。

今日、私たちがハワイで目にする植物の大半は外来の植物なのです。

外来の植物は、美しく香り豊かな観賞用を中心に、果樹、食糧、建材、街路樹など、社会に有用な植物も少なくありません。とくに観賞用の植物についてはリゾート地を美しく飾り立てるために欠かせないものとなっています。

残念ながら、外来植物のなかには在来の植物を駆逐してしまう有害な植物が多くあります。そのため、ハワイ州ではそのような植物を有害指定しているものもあります。

外来植物一例

-プルメリア
美しさと香りの良さで高い人気を持つプルメリア。ハワイを代表するお花と思われがちですが、元々は外から持ち込まれた外来種なのです。 高名な植物学者が153年前(1860年)に持ち込んだのが、ハワイで最初のプルメリアだと記録されています。6月から7月のピーク・シーズンには、ハワイの各地で満開のプルメリアが香りを放ちます。

- ジャカランダ
日本の春を告げる桜のように、ハワイの春を告げるのはジャカランダ。ジャカランダがハワイに導入されたのは1900年代初め、植物園を中心に、ハワイ諸島に広く移植されました。いまではすっかりハワイの風物詩となっています。花にはほのかに甘い香りがあるので、まれにレイに用いられることもあります。

- ロケラニ
ハワイには1820年代に導入され、繁殖に成功しハワイ全体に広まりました。ハワイではとくに濃ピンクの八重咲きを指してロケラニ(天国のバラ)と呼びます。花はレモンを甘く濃厚にしたような香り。なかでもマウイ島ラハイナを中心に庭花として人気が高まり、地元では本種を「マウイのバラ」と呼ぶようになり、その後1923年にマウイ島の島花となりました。

伝統植物

元々ハワイに移り住んだ先住民がカヌーで持ち込んだ植物をカヌープランツと呼ばれ、これらの植物がハワイの伝統文化を支えたという観点から「伝統植物」と言われています。

伝統植物は、ハワイに住む人々の生活を支える道具や素材、食材として大変重要な位置づけにあり、ハワイの暮らしはほとんどのものが伝統植物を中心とした植物から作り出されたのです。

伝統植物を使った知恵が、今のハワイの生活にもつながっていることも多く、ハワイでよく目にする植物の中からいくつか伝統植物をご紹介!

伝統植物一例

- カロ(タロ)
「タロ」芋のことをハワイでは一般的に「カロ」と発音します。ハワイではお米を育てる方法と似たやり方で「ロイカロ」と呼ばれる水田でタロを栽培します。タロ芋を蒸して練った「ポイ」はハワイアンの主食として、更には離乳食としてもメジャーな食べ物でした。今でも伝統的なハワイアン料理を食べられるレストランでは、タロ芋やポイがあります。

- マイア(バナナ)
ハワイに自生する食用バナナは東南アジアのマレー半島が原産。タヒチやマルケサス諸島からハワイに持ち込まれたバナナは、食用としてはもちろん、葉は、屋根や傘にしたほか、レイの鮮度を保つための包装にも使われました。葉はこのほかにも、地面を掘って食材を埋め、オーブンのように調理する「イム」という伝統調理で、食材を覆うのに用いられました。

- コー(サトウキビ)
サトウキビはハワイ語でコーと呼び、イネやタケと同じイネ科の植物。
サトウキビはポリネシア地域に古くから根づく農作物で、ハワイに移住したポリネシア人が持ち込んだ伝統植物なのです。ハワイでサトウキビ産業が盛んになると、労働者不足で日本をはじめ様々な国から移民がやってくることになり、今日の多民族社会の土台となりました。

最後に・・・

今回ご紹介した植物以外にも、ハワイにはたくさんの植物が生息していて、私たちを迎えてくれます。
身近なところで目にする植物がどのようにハワイに根付いたかを知ると、違った目線でハワイを楽しむことができ、ハワイ通になれるかも!?

もっと詳しくハワイの自然や植物について知ってみたい!という方は、ハワイ州観光局公式ラーニングサイトの「アロハプログラム」をご覧くださいね!

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