ストーリーオブハワイ~意図を持った料理ーマーク・ノグチ~

2019.09.05

贈り物のレイを作るときに葉を採集する許可を求めて唱えるチャントを唄い終えたマーク・ノグチが立つのは、かつて所属していたフラ・ハラウ(フラ教室)ハラウ・オ・ケクヒの入り口。敷居をまたぐのはハラウを離れた日以来だ。ここで過ごした日々に思いを馳せる。

料理学校を卒業して東海岸へ渡り料理人として腕を磨いた後、オアフ島に戻りもっとも有名なローカルシェフの一人となった。しかし何かが足りなかった。レストランを営むことよりも、食がつくるつながりに惹きつけられる自分に気がついた。先祖伝来のもの、特定の場所、文化、時代、人々との食を通じた深いつながりこそが、彼が自身を捧げたいこと。

現在、彼はケータリングの団体を運営し、食と文化を土台にしたカリキュラムを学校の先生たちと一緒に開発している。彼がオアフ島の農家と養魚池を巡るのは、料理の素材を求めるためだけでない。より強く元気なコミュニティーをつくり理解し助け合えるよう橋渡しをしている。

古い友人がハラウの扉を開いて彼を招き入れる。マークは思わず笑顔になる。自分はフラを捨てたわけではなかった。むしろいつも共にあったのだ。キッチンであろうと教室であろうと、教育を通して人に良い影響を与えるという天職を受け入れていたのだと気づいたから。

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