今も強いマナが残るモオキニ・ヘイアウ

2016.06.07

ハワイに数多く残るヘイアウ(神殿)。中でも古い歴史を持ち、かつての姿をほぼそのままに残すのが、ハワイ島の最北端に程近い場所にあるモオキニ・ヘイアウです。
 
この聖地を代々守って来たモオキニ・ファミリーは今も続いていて、家族に伝わるチャントでは、その紀元は5世紀にさかのぼるとのこと。現在の10メートルもの石垣を持つヘイアウになったのは13世紀で、その時には一万五千人を越える男たちがポロル渓谷から一列に並び、バケツリレー式で石を運んで一晩にして石垣を造り上げた、と伝説は伝えています。途中で手から落とした石は、そのまま捨て置かれたそうで、そのためポロル渓谷とモオキニ・ヘイアウの間のトレイルには、今もこの川底石がたくさん落ちているそうです。

モオキニは戦いの神クーに捧げるヘイアウで、人身御供が行われていたことで知られています。ヘイアウの中には、今も犠牲の儀式に使われたという皿状の巨岩が。そんなこともあってか、ここには強いマナが残っているというハワイアンも多いのです。

聖地であると同時に、ここは歴史的遺産としても貴重です。1935年にはハワイで最初の歴史的建造物に指定されました。しかし、その強いマナに、訪れる人が取り付かれるといううわさもしばしばあったとか...。

そんなこともあってか、現在のモオキニ・ファミリーの当主・レイモミさんは、1978年にこのヘイアウのカプ(タブー、霊的な呪術)を解く儀式を行いました。この強いマナを持つ霊的スポットを、誰もが安全に訪れることができるようにするためでした。

モオキニ・ヘイアウは、原野の中に静かに佇んでいます。敷地内に立つと、真っ青な海が眼下に広がり、とても穏やかな場所のように思えます。 しかし、のどかな光景なのに、どこかピンと背筋を張るような空気がここには感じられます。カプは解かれたとはいえ、ここが聖地であることは今も変わらないからでしょう。訪れるときは、この場所を尊重する気持ちを忘れないようにしたいものです。

モオキニ・ヘイアウは、ウポル空港手前から西に延びるトレイルを3km弱進むと、山側に現れます。道は舗装されておらず、雨が降るとひどくぬかるむので、道の状態によっては空港から歩くことをお勧めします。

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