ストーリーオブハワイ~忍耐の種ーリンジー・ハラグチーナカヤマ~

2019.09.03

タロイモの水田に泡を立てて流れ込む水の癒やしの音に、遠くで響くネネの鳴き声が割り込んでくる。ひんやりとした早朝の霧が、ハナレイの山脈に後退していった。昼が近づくと暑さですべての動きが鈍くなっていく。リンジー・ハラグチーナカヤマの額に流れる汗を除いて。夜明け前から休みなしで彼女が働いているのは55エーカーの家族農場。

膝高ブーツの半分ほどを黒い泥に埋めながら、緑のハートの形をしたタロの葉の間をリンジーは泥に足を取られないよう踵から爪先へと重心を移動しながら歩く。育ったタロイモを収穫しているのだ。畑での実体験を通じて農業の大切さを学ぶため、今日地元の学校からバスでやってくる子どもたちのツアーに備えて。父のロドニーにも手助けしてもらった。ハナレイ・タウンのランチワゴンで販売するタロ・バーガー、タロ・ホムス、クロロ(ココナッツとタロのデザート)を運ばなければいけないから。

タロ・ファーマーには休日はおろか休憩もない。事業主であるリンジーはなおさらだ。そしてそれは彼女の望むところ。彼女にとっては毎日が、この同じ畑で働いた祖父母の祖父母から受け継いだものに自分をささげる機会だから。

この記事に関連するタグ
ストーリーオブハワイ~森の番人ーカウイ・カナカオレ~
ストーリーオブハワイ~森の番人ーカウ…
2019.09.05
コラムの一覧
ストーリーオブハワイ~純粋なサトウキビーカイル・ルーテナー~
ストーリーオブハワイ~純粋なサトウキ…
2019.08.31

「レスポンシブルツーリズム」の最新コラム&ニュース