ハワイ州で一番古いホテルが、ラハイナ港から海を見渡す灯台のほど近くにあるのはご存知ですか？ パイオニア・イン、1901年に38歳であったイギリス人のジョージ・フリーランドが建てた宿泊施設は、現在も残っています。
ジョージ・フリーランドはラナイ島出身のアマベル・カフフと結婚し、マウイ島ラハイナで7人の子どもを育て、当時各地にあったプランテーション・キャンプ（パイナップルやサトウキビなどの大規模農園で働く人の集落）で、映画館などを経営。パイオニア・インの建物の裏手、フロント・ストリート側には映画館もあったらしく、姿を変えた今もその面影を残しています。
映画館経営で知られたショージ・フリーランドのパイオニア・インは、実は数多くの映画などに登頂しているホテル。フランク・シナトラとスペンサー・トレイシーの出演で話題を呼び、1961年に上映された「The Devil At 4 O'clock」では、南太平洋の小島にあるホテルとして物語の舞台となっています。
当時、映画のセットを作る手伝いをしたというジョージ・ケオキ・フリーランド、ジョージ・フリーランドの孫で三代目オーナーは、本土の大学に通っていた彼の夏休みのアルバイトが映画のセット作りの手伝いであったことを懐かしく話してくれました。
1950年代、ラハイナの港の建築作業が終わると益々栄えはじめたラハイナの町、パイオニア・インは1960年代中頃に二階に34部屋を増築し、フロント・ストリートに面した部分に数軒の店を増やしました。今は、島を訪れる人々は飛行機でカフルイ空港に降り立つようになり、港は主にラナイ島やモロカイ島に向かうフェリーと、ホエール・ウォッチングやスノーケルなどのツアーの船が使用する時代となりましたが、100年以上も前から変わらずに佇むパイオニア・インに、ふと立ち寄ると、まるで時間が戻ってしまったような感覚。インの入り口に立つ、義足の船長さんの遠い目が、在りし日のラハイナを物語ってくれるような気がします。
パイオニア・イン/Pioneer Inn
658 Wharf St, Lahaina, HI 96761
http://www.pioneerinnmaui.com/
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